そう、NSXのエンジンスタートができなくなる問題・・・。
皆さんご存知ですか?
①キースタートから初爆までの時間が長い。
②始動の2回に1回はエンジンがかからないときがある。
など。
悪化するとエンジンが始動不可能になるらしいですよ!?でも中古NSXは、ほぼみんなその症状あるよね。笑
最近、NSXばっかりレストアしてるんですが。
記事とはちょっと話逸れますけど。
もし旧車のBNR32、JZA80、NA1の車選びで悩んでいるなら、内外装共に一番壊れにくく耐久性が高いのは「JZA80スープラ」ですよ。ボディ剛性が高く、高出力のエンジンチューニングにも耐えられます。エンジンはカムとタービン交換で600馬力が狙えますから、チューニング費用も安い。主要なトヨタ部品は壊れにくく、メンテナンス費用も他のライバル車に比べて一番安い!と断言できます。
もし欠点があるとしたら・・・運転中にエアコンつけていると吹き出し口から、エアコンダクト内のつなぎ目のシール材が剥がれて、30年前のスポンジが社内に粉みたいに噴き出すくらいです。これも一回直せばいいだけですし10~20年は耐えられます。
JZA80はボディ、エンジン、電装系のどれも耐久力のある優等生。ちゃんと部品交換していれば、数年で走行不能になるような軟弱な純正部品などありません。
それに比べて、NA1NSX・・・・。
お前、ダメだ・・・。
軟弱すぎる。
出先で急にエンジンかけられなくなったり、走っていなくてもエンジンの全オイルシールからオイル漏れするとか、給油口開けられなくなったり、一番故障のリスクが高く、手間と金がかかるのがNSX!しかも同じ部品の交換頻度が、数年に1回って・・・。
日本車なら耐久性は10年先を見越してほしいぜ。
特に致命的な欠点は、あのエンジンのベルト類交換や、シール類交換を、車載でメンテナンスすることを全く考えてないエンジンルーム設計。タイミングベルト交換でエンジン下す!って、お前はV10スーパーカーか!
加えてエンジンかからなくなるトラブルとか、給油口あけれないトラブルとか、電気部品やクリップみたいなつまらない部品のせいで、出先で走行不能の致命的なリスクを持病として持ってるのがNSX・・・お前のことだ!・・・。
そう。
こういう多少の不満もらしてはいますが・・・・・。
なんだかんだで、綺麗な顔とスタイルのNSXが好きなんです・・・。
別れたくても、離れられない。
これはきっと。
人気キャバ嬢を、愛人に持った社長さんの気持ちと同じ!?・・・
ということで。
前置きが長くなりましたが
出先で、急にエンジンが。
かからなくなる・・・・。
NSX乗りにとって、車両維持の最大リスクであるコレだけは絶対避けたいわけです。
そこで、今回はNSXのキースイッチの交換です。
キー捻って、初爆までの時間がかかるとか、かからないときあるとか。
事前に兆候が見られたら早めに交換しましょうね。
キーシンリンダーの一番奥側についてる部品です。(KUSAKA工房さんで購入)
※KUSAKA工房さんは部品に取付マニュアルついてます。
ホントに思うけど、こんな部品ね。他のメーカーだと30年経過、20万キロ走行しても交換しない部品だよね。ほんとNSXって、金がかかって可愛いやつだね・・・。
仕組み的には、シリンダーに差し込んだキーをひねると、キーシリンダー裏の先端部凸が、このキースイッチの中央の凹を動かして、中の電極をスライドさせる電源スイッチになっています。要するにNSXの主電源スイッチみたいな存在です。
作業手順
①バッテリー外す。
②コラム下のダッシュカバー、フレーム、アンダーパネル外す。
(ネジ×8 クリップ×2)
③キーシンダー裏から、キースイッチ取り外す。
(ネジ×2、カプラー×1)
④キーシリンダー交換。
⑥エンジン始動テストする。
⑦内装パネルを、元に戻す。
注意事項
NSXのコラム下は、クソ狭いので、背面になって潜って汗だくになります。作業の途中に必要なものを取りに社外に出てくるのも身体の柔軟性が必要です。背中はあざだらけになります。ちゃんと養生したりマットとか敷いてないと、サイドステップとかシートとか傷つけないか心配になります。
ボタン付きの作業服とは絶対禁止ですよね。作業中は意識しないことろからの攻撃で一番車を傷つけやすいので注意しましょう。
今回は自分でやりましたが、もし工賃が1万ならホンダに任せたほうがいいかも。作業箇所が狭くて思うよりも面倒で、工賃3万なら自分でやろうかな?と思うDIYレベル。
こういうキースイッチには、前オーナーのクソ配線がけっこう残っていたりします。
エンジンがかかっているときだけ動作する電気機器とかに使うのね。
よくあるのがETCとかセキュリティとかね。
キーシリンダー本体の裏側に伸びる白色の配線に、割り込みで赤と青と黄色の配線が見えます。また右奥に茶色のカプラーがあってこれがキースイッチのカプラーです。
ハンドルコラム下から右上を見てる写真(センタコンソール側 ※アキュラ左ハンドル)
茶色のカプラー。コレがうちの子は狭くて手が入りにくい上に、配線が硬くなってるしカプラー自体が抜けにくかった。汗だくポイント①です。
キーシリンダー裏からキースイッチの背面。ハンドル側を撮影した画像。
キースイッチの取り付け部を目視できないので、確認のためにカメラ反転して携帯撮影したけど、焦点は愛嬌。
中央上の白いうねうねした複数の配線がある黒いユニットがキースイッチの背面。
対角線上に2本の専用ネジで固定されている。この状態を確認したかった。
取り外した旧キースイッチ。
そりゃ。この配線みたら色々思うことはある・・・・。
でも全部俺の車じゃなかったときのことだからね。つまり前の男の所業なわけで、今の男である俺はちゃんとやるよ。
キースイッチの中身。
この接点状態だと「エンジンがかかりにくい、かからないときがある。」の症状がでます。キュルキュルキュルって4回ぐらいなってかかるとか、キュルキュルがECUでキャンセルされてエンジンかからないとか、スターター保護するようならこの状態です。
スイッチの接点不良を直すよりも、交換したほうが安いし安全です。このキースイッチ自体は今でも5千円以下だ。NSXオーナーは予備部品として在庫必要だね。
旧配線を見てみる?
怖い物見たさにキースイッチに付いていた配線の接点を確認してみた。
恐ろしいのは画像では素人配線みたいだけど、実はこれが多くの量販店や工賃もらってるお店でやってる配線の実態なんだってこと。
ETCを5000円でつけるみたいな工賃だと、こういう手早い作業をされてるみたいです。車両オーナーには見えないからね。(画像の青-白のON配線なんて、サイズの違うエレクトロタップ使って半分断線されてる状態です。)
キースイッチよりも、こっちの配線が問題だったんかも?
とも思うんだけどね。
前のオトコがやったことなんで、今彼の俺がちゃんと面倒みますよ。
結果
うちの子は3回に1回はエンジンかからないくらい、始動性が非常に不安定になってたんですが、見事にキーをひねったら「キュル、ボン!」と一発始動に完治いたしました。
NSXでエンジンの始動性が悪い方は、キースイッチは間違いなく交換部品候補に入ります。
あと今後のためにコイツは予備部品は必須ですね。今回のキースイッチは走行3万キロ以下の車両です。BNR32の記事でも書きましたが、旧車の電気系やゴムシール系は、走行距離に全く関係なく、経年劣化でトラブルが増える。という典型事例のように感じますよね。
NSXは車検ごとに、症状みて交換していく部品になるんだろうか・・・・この作業はやってよかったと思います。見えない場所で悪さする配線トラブルも全撤去&修復できたし、NSXへの不信感が払拭されましたよ。