クロとシロと俺ブログ。BNR32 -NA1-

スカイラインGT-R BNR32のお手軽レストア情報やRB26エンジンのオーバーホール、チューニング手法などを実体験をもとに情報発信しているブログです。最近はサブのNSXもいろいろDIYでプチレストアを楽しんでいます。

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マル秘 RB26 チューニング裏話 これだけ知っとけばショップにカモられない?bnr32 bcnr33 bnr34

 

 最近、富山でもスカイラインGT-R(BNR32 BCNR33 BNR34)を見かける機会が増えてきました。地元で乗る方が増えてるのはいいことです。

  

 しかしスカイラインミィーティングなどに参加しても、ほとんどチューニング話にならない・・・。

そういう時代なんですかね~。純正パーツの値段とか製造廃止部品の話などメンテナンス話が中心でチューニングのほうはいかが?とも思います。

 

 そこで今回は、初心者でも調べられるように「人には聞けないRB26チューニング小話」を集めました。チューニング初心者から中級者向けにGT-Rの馬力アップを狙ったチューニングについて、自分の経験を交えて書きなぐっていきます。他の記事にも被りはありますが、ショップなどに頼んだときのパーツ代+工賃の大まかなコストも載せておきます。

 

チューニング予算。

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予算はパーツ代+工賃の目安に該当するパーツは、本文に記載した性能を発揮する商品を想定して商品詳細がわかるメーカーページをリンク掲載しておきます。

  

 

 

RB26チューニングの真実とターボ車の特徴。

1、RB26はECU(エンジンコントロールユニット)の現車セッティングと「排気系パーツによるチューニングの費用対効果が非常に高いのは真実。

マフラー、触媒、フロントパイプなどのパーツ交換で排気効率が改善すると、空気の流れが良くなり、ターボが回転しやすくなる。その結果、純正設定よりも過給圧が高くなったり、ターボのレスポンスが良くなることで、エンジン回転全域でパワー&トルクのアップを期待できる。チューニングの初期段階ではエンジンの排気効率の向上によって、相乗的に吸/排気効率を引き上げ、タービンが最大効率で働ける仕様へと変更していく。※パーツ選びの目安は後述。

 RB26に限らずターボ車の多くは、メーカーチューンの限定車でない限り、エンジン出力、排気騒音規制や、二酸化炭素排出規制により、タービンブースト圧は最大効率の設定より2割程度の抑制された状態で販売されている。RB26の場合もタービンは同様で、また補機類はブースト圧および吸排気効率の抑制のために280馬力となる必要最低限の性能を持つパーツで構成されている。メーカーでは280馬力で販売する車に、400馬力対応のマフラーやインタークーラーは装着されない。そのためにターボ車チューニングでは、まずは吸排気の抵抗になる要因を極力減らすパーツ選びによって馬力アップの土台をつくることになる。

※タービンサイズや設計によって、吸排気が最大効率に達するために必要なパーツ仕様タービンとの組み合わせで変わるので注意。

 

2、タービンは設計段階でブースト圧に対する出力の比率が異なる。

 エンジン排気量と吸排気効率の限界は、ターボ車の出力限界のひとつ。そのためターボの種類、ブースト圧、エンジン排気量、燃料の種類で、最大出力がだいたい予想ついてしまうのは逆算の理論だ。

 ただし燃焼条件が変わるアルコール燃料や、酸素の量を変えるNOSを使ったり、エキマニ形状やマフラーを純正レイアウトから全く違うデザインを採用することで、吸排気効率がタービンの設計段階で想定されたものと大きく異なるなら出力も変わる。

 

3、吸/排気効率が悪いとターボの最大効率に届かず、ブースト圧と馬力の伸び方のバランスが急激に悪化しはじめる。ターボ設計上の最適ブースト圧を設定しても、吸排気効率の限界から出力が伸び悩む場合は、吸排気にボトルネックがあることが多い。

 

吸排気の流れとRB26のパーツレイアウト。

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前述の理由からターボ車であるスカイラインGT-Rで、RB26の馬力アップを目指すなら、迷わずオレンジ色の排気系から揃えていくのが正道。その他の費用対効果の高いパーツや必要なスペックなどは下記の通り。 

 

 

エアークリーナー(吸気系)

 排気量アップのフルチューンで500馬力超えても純正エアークリーナーのままでも剥き出しクリーナーと純正交換タイプの吸気効率は大きく変わらない。外気温を吸える純正交換の安価なものでも性能差は皆無といえる。GTRは吸気系よりも「排気系パーツ」のほうが圧倒的に費用対効果が高い。エンジンルーム内の熱気や雨を吸い込まない分、エアクリは600馬力でもノーマル交換タイプでOKと覚えておこう。

シングルタービンではパイピングのパーツレイアウトが変わるため、純正エアクリBOXは撤去されキノコタイプか使わないという選択になる。

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※HKS スーパーエアフィルター:スカイラインGT-Rなど



フロントパイプ(排気系)

 純正ブーストアップやツインターボ仕様ならフロントパイプ65φ×2→メイン80φサイズ以上。フルチューンなら70φ×2→触媒無しメイン95φ~100φがほしいところ。

等長、不等長はツインターボの議論の的になるが、パワーに関してはどちらでも出る。いろいろ試した結果、パイプ形状よりも太さで選ぶのが1番間違いが少ない。シングルターボ仕様ならワンオフ製作で100φがほしい。フロントパイプの太さはターボ効率に大きな影響が出る。素材による影響は音質だけで、ステンレスでもチタンでも出力には関係ない。

 チタンよりステンレスのほうが焼けて高い音質に。不等長は1.7kgf/㎠を超えるハイブーストになると、低い濁音が混じり合って地獄から悪魔が這い出てくるような正直言って、初めて聴いたら身震いモノの一部のマニアしか知らない恐怖サウンドが聞ける…。

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※TOMEI Ti RACING RB26 フロントパイプ  TOMEI POWERED INC. ONLINE CATALOGUEなど

 

 

触媒(排気系)

触媒ストレートvsスポーツ触媒は、ストレートが圧倒的に排気効率が良い。シャシダイデータではパワートルク共に1割以上のパワー&トルク差が出る。フルチューンのRB26だと50馬力程度変わり、ブースト立ち上がりレスポンスも変わるため体感で全く違うエンジンと思えるくらいに大きな変化を感じることに。

ecu現車セッティングは「触媒ストレート仕様」で行い、街乗りでは「スポーツ触媒」を使って走れば両得になって費用対効果が高いと言えるだろう。

※公道でのストレートパイプ使用は違法になるため要注意。

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※TOMEI Ti ストレートパイプ NISSAN  TOMEI POWERED INC. ONLINE CATALOGUEなど

 

 

マフラー(排気系)

ストレート構造、メインパイプ90φ以上、特にタイコ前の曲がり角が少ないものを最初から強くお勧めする。メインパイプのレイアウトは高回転時にパワーとブースト立ち上がりレスポンスに大きく影響する。その他のタイコ、出口形状、ジョイント形状などはパワーへの影響はほぼ皆無。

 RB26のブーストアップで、メイン90φは太すぎ?とか勘違いしている輩が多い「マフラーが抜けすぎ!」という現象。ターボ車はマフラーが抜けすぎることで「トルクやパワーがダウンすることはない。」のが基本的な考え方だ。なんせターボによって排気量が2倍にも3倍にもなるのだから。チューニングするならターボ車は排気が抜けてダメ!ということは全くない。ターボ車は排気抵抗によってトルクの山は生まれないと覚えておこう。抜けが良いほど良い。そのおかげでターボが最大効率に近づきブーストレスポンスも鋭くなり、車は速くなることを知っておくこと。ただしブーストを上げない場合にはブーストの立ち上がりや、アクセルのレスポンスが悪くなることがある。何かトラブルを感じるならそれはマフラーのせいではなく「ブースト圧の制御」か「ECUセッティング」に課題があるのではないだろうかと考えよう。

 また最近のチューニングメーカーのマフラーは、音量や二酸化炭素排出の法規制のためカタログスペックでは超がつく優秀?なものだらけなので注意が必要。

タイコ内部でメインパイプに絞りをつけて音量を抑えているメーカーもある。マフラーはメインパイプがどこか一部絞られてるだけで音もパワーも出なくなる。メインパイプの設計から確認して購入しよう。ブーストアップ程度なら、ヤフオクなどで新品2~3万で買えるメーカー外マフラーのほうが音も良くパワーもでる。

ブーストアップでメインパイプ80φ、タービン交換以上で90φ〜は必須。800馬力ならワンオフ製作で95φ~100φと覚えておこう。

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フルチューンなら※TOMEI TiSPORTS RB26マフラー — TOMEI POWERED INC. ONLINE CATALOGUEなど

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ブーストアップなら※ヤフオク! - スカイライン HCR32 BNR32 オールステンマフラー...など

 

 

インジェクター(燃料系)

 馬力アップでは必須なインジェクター交換。R35流用も社外品12ホールも550ccクラスのものは、ブーストアップ程度で100%全噴してしまう・・・。

ちゃんと馬力を出したり、エンジンのことを考えるなら省エネで高効率ではなく、高回転時のリスク軽減も考えて、初めから850cc以上でセッティングしたほうが費用対効果が高い。RB26は低回転でトルクを出していくVR38とはエンジンの性質が異なる。

吸気ポート付近のインジェクター位置も異なり、ターボで高回転を回して出力を出す仕様。そのため高回転での霧化性能より、噴射された燃料が吸気ポートを冷却し燃焼室に確実に届く噴霧能力を持っていることが優先される。

 燃費を気にするオーナーや、低回転走行がメインとなっている使い方ならR35インジェクターや12ホールで霧化性能を求めるのはいいかもしれないが、RB26の高回転でインジェクター容量のギリギリセッティングになることは絶対に避けたい。R35インジェクターを使わなくともR35エアフロを使っているなら、低回転での燃焼効率はセッティング次第で十分に高められるのでインジェクターよりエアフロ優先と覚えておこう。

 また雑誌やショップで語られているようにRB26は550ccインジェクター仕様で500馬力が出るというのはガセネタだ。シャシダイで1馬力が1.5馬力の補正係数が入ってるなら十分にあり得るショップだが、実際にはR35エアフロと2860r-2で現車セッティングして550ccでは380馬力(約410ps)ほどで100%噴射。純正タービンサイズを使い切るチューニングなら丁度良いくらいだ。それなら余裕を持って400~600馬力を狙える850ccを使ったほうがいい。

 

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※SARD :: INJECTOR/SUB PARTSなど

 

 

燃料ポンプ(燃料系)

 ブーストアップから必須になるパーツ。純正ポンプはブースト1.0kgf/㎠まで。ニスモポンプは純正同等でほぼ変わらないため現車セッティングするとブーストアップでも流量が足りなくなる。600馬力にしたいなら燃料ポンプは吐出量より「流量を重視」しないとセッティングでハマる。燃料ポンプのカタログスペックにある対応馬力は、上記の説明とおり全くあてにならない表記。

加えてGTRには低回転時の燃料ポンプの動作を抑制する補助ecuがついているため、これをスルーし、バッ直で燃料ポンプを安定動作させる対策が「ブーストアップ」から必須になる。これを知らずに低回転から燃圧あげて現場対応しようとするような危ないショップは多々あるのでスタッフの笑顔に要注意。

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※AEM フューエルポンプ汎用 #50-1000 | TRUST | GReddy トータルチューンナップ トラストなど

 

 

ブローオフバルブ(制御系)

 レイアウト図にはないですが、インタークーラー後、サージタンクとの間に純正のブローオフバルブは配置されています。この純正ブローオフは、どうも初めから圧力を漏らしてる?のが基本設計!?のようで。

社外部品に交換するだけでブーストの立ち上がりやタービンのレスポンスが全域で変わります。ここはターボ車として致命的な○○なんで、新車からすでに交換上等な部品です。加えて俗にいうブローオフ変更によってタービン耐久性への影響があるか?と言えばそれは限りなく少ないと言っていいと思います。

 交換後の影響はブーストの立ち上がりが良くなったりブーストが瞬間的に設定値以上に跳ね上がる症状(オーバーシュート)が発生しやすくなるのは事実ですが、それはECUセッティングをしなくてもいい範疇。ブローオフの圧力は大気解放しないで純正と同じくインテークに戻すことでレスポンスアップに活かすのがお勧め。

※ブローオフが社外品でも純正の戻しのパイプは利用できます。

 

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※GReddy ブローオフバルブ TYPE-R BLOW OFF VALVE TYPE-R | TRUST | GReddy トータルチューンナップ トラストなど

 

 

エアフロ(制御系)

R35エアフロ流用は定番必須のチューニング部品。おおまかに言うとエンジンに入る空気の量を計測するセンサーだけど、ブーストアップからecuセッティングと合わせて必須になるのでチューニングと同時にやるのがお勧め。エアフロセンサーが正確で細かいデータを拾えるならecuセッティングも同様に正確になり、センサーの違いで結果的には1割〜2割の出力差も期待できるほど重要部品。

RB26チューニングのキモとなってる箇所だから、現代のRB26は交換せずにECUセッティングするメリットは全くないと断言できる。(①精度の高いエアフロセンサー→ ②ECU → ③精度の高い空燃比&点火セッティング → ④出力アップ)

老舗ショップで、エアフロをZ32使うとか交換しなくてもいいとか、ヌカしてるトコはセッティングや電気系の技術や知識が無くて活用できないだけだと思ったほうがいい。またセッティング時にはECUのエアフロ電圧データ変更、燃燃料など、空燃比の全域現車セッティングは必須になる。

 

その他のエアフロ知識として 

RB26の最新の社外ecuは、エアフロセンサーで空気量を計測するエアフロ仕様。圧力センサーで空気量を計測するエアフロレス仕様も選択できる。それぞれLジェトロ、Dジェトロと呼ばれる。利点はそれぞれあるので事前に調べておこう。

 

 

プラグ・イグニッションコイル(点火系)

プラグ、イグニッションコイルは、パワートランジスタを廃して「コイル内蔵型」に一式変更するのが定番。BNR34でも600馬力を目指すなら純正コイルでは火力が足りなくなるので社外品へと交換する必要がある。

RB26は高回転を使うので失火発生はノッキング&エンジンブローへの階段をのぼることになる。コイルによって生み出されるプラグの火力は、強いほど高回転でも失火を防げるのでコイルもプラグも予算をケチるパーツではありません。

流行りのR35コイルは社外の汎用コイルと大差ない火力なので、高価でも実績のある社外メーカー製のイグニッションコイルに交換してしまいましょう。

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※RB26用ハイパワーコイルキット_EFI テクノロジック - EFI-Techno × LOGなど

 

 

パイピング(吸気系)

400馬力以上を狙うならパイピングは社外のアルミ製に交換したい。しかしニスモなどで販売されてる高価なインテークパイプまでは必要ない。効果が現れるのは1.5kgf/㎠以上のブーストをかける550馬力を超えてからの話。そもそも純正インテークパイプで十分に600馬力は狙える。

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※NISMOカーボンインレットパイプ

 

 このインテークパイプは、ツインターボで圧力がかかった2つのタービンからの吸気合流地点になるので、スムーズな空気の流れを実現できる設計と1本で製作できる加工技術が求められる。ショップ製作は困難な部品のためメーカー製品を使うのが主流かつ値段は40万クラスの高額商品。

 しかし当面は、このインテークパイプよりも大事なのは、インタークーラーの出入り口にあるIN側とOUT側の2個所の純正パイプ。サージタンク手前で上に曲がるバッテリー横に出る複雑に曲がった純正パイプの3個所だ。インタークーラーを交換するときにセットでこれらのパイピングがついてくる商品もあるが、インタークーラーIN側は、高いブースト圧力がかかると抜けやすく、その補修にはフロントバンパー取り外すため路上では作業不可能でエンジン始動も不能になる。

ブースト圧が1.1kgf/㎠超えるなら、これらはさっさと社外品に交換してしまいましょう。交換時にはシリコンホースやバンドは、必ず新品を使用しシリコンゴムホースといえど予算はケチらないこと。あとでバンパー外して補修することになるとホース以上のコストがかかり必ず後悔することになります。

 

 

インタークーラー(吸気系)

 図にあるようにターボで加圧した吸気は、ターボで高温をまとってエンジンの吸気ポートへ向かいます。吸気温は低いほど酸素の取り込み量が多くなるため燃焼効率があがりますから、インタークーラーで加圧した吸気を冷やしてインマニに送り込むわけですが、インタークーラーの性能によって冷却効果は変わるため出力にも大きく影響します。高出力を狙う場合はできるだけ大きく厚いサイズのインタークーラーを使いますが、大きくなるとターボで加圧された吸気の抵抗になって圧力を損失します。

 この圧力損失はターボの効率に影響します。結果的に出力だけではなくターボのレスポンスを得たい場合には圧力損失に対応した内部設計と、ターボにかけるブースト圧のバランスを検討してインタークーラーのサイズを選択する必要があります。

また熱による冷却効果の低下が出力に一番大きく影響しやすいため、ゼロヨンなどの一発仕様ではない場合は、ブースト設定(1.3kgf/㎠)を超える仕様なら冷却効果を重視して、カタログ対応馬力より1ランク大きなものを選択しましょう。

※RB26は純正置き換えタイプ(厚さ10㎝程度)の商品でも500~600馬力は目指せます。

 

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※HKSインタークーラーキット | クーリング/COOLING | 製品情報 | HKSなど

 

 

ECU(エンジン制御系)

 ECUを交換、またはecuのデータを専用ソフトで書き換えすることで、主にエンジンの空気と燃料のバランス、点火時期を制御し、出力を向上させることが可能になります。車両のエンジンや補機類の仕様に合わせて、ECUのデータをセッティングすることを現車セッティングと言います。ECU性能によってセッティング項目は大きく変わるため、ecu本体、専用ソフトの精度、ショップ設備、スタッフの知識や経験、熟練度によってエンジン出力が2割以上変わることは多々あるのでECUセッティングは非常に技術を要する職人の世界です。

パーツ的には安価なものだとアペックスのパワーFC(10万以下)でも600馬力は狙えます。しかしパワーFCにはセーフティ機能、フィードバック機能、外部出力が皆無で、センサー類の追加ができないため高度なエンジンマネージメントには向きません。空燃比制御だけと割り切って使うなら一番安くて便利です。

 筆者のお勧めはLINK G4+の車種別ECUで、20万ほどですがHKSの金プロよりもコストパフォーマンスが高く、MOTECに次いでエンジンマネージメントにおける多くの機能を備えているのが特徴です。またリンクのオプションにあるブーストコントロールの電磁バルブは性能が良く、限りなくタイムラグの無い繊細なブースト制御を行えます。

 しかし残念ながら、今のところ全国的にLINK G4のセッティングに長けているお店は「かなり少ない」と言えます。

 現在のチューニング業界は汎用セッティングデータを使ったECU書き換え(コピー)がメインになっており、セッティングに知識を持った職人が増えていないのと、時間をかけずに利益になる書き換えが、お店側にもお客さん側にも安全かつメリットとなることが多くなっているからではないでしょうか。

 LINK G4+の性能を活かすためには、自社で高精度のフルチューンエンジンを組める技術があることや、MOTECなどでゼロからエンジンをかけられるノウハウを持っている職人じゃないと、このECUを活かしたセッティングは期待できないと思います。

※現代の最新ECU LINK G4+とは?別記事参照

 

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 ※Link Engine Management Systems — Link JAPANなど

 

 

エンジン

エンジン内部の部品は多くなるので、詳しくはオーバーホールの記事をみてほしい。

ここでは主な交換パーツを掲載しておきます。400馬力超えるならカム交換、ヘッドガスケット、吸排気ガスケットをメタルに一式交換。450馬力からはN1ウォーターポンプ、オイルポンプ変更または内部ギア交換、オイルパン拡張を推奨。それ以上はターボ本体、コンロッド、コンロッドボルト、500馬力超は鍛造ピストン、バルブ、バルブスプリング、バルブリフター、クランクは600馬力超えてもねじ切れることは聞いたことありません。しかしクランクはロングストローク化の2.8L排気量アップのパーツの一つなので、鍛造ピストン、Hコンロッドなどと一式交換されることが多い。

どの段階においても、一度エンジンを下すなら必須となる消耗品は、コンロッド&クランクのメタル交換。メタルは800馬力でもNISMOやN1メタルでOK。エンジン下したら消耗品は予算をケチらず交換しておこう。

さらにRB26チューニングは、早い段階でオイルポンプで汲み上げるオイル量を減らすためにTOMEIのオイルオリフィス。オイルパン内でオイル片よりを防ぐバッフルプレートは必須となっている。詳しくは下記TOMEIサイトへ↓

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オイルギャラリーオリフィス — TOMEI POWERED INC. ONLINE CATALOGUE

 

コンプリートエンジンについては、メーカー製のものはどう算段してみてもブランド価格となっています。どこのメーカーもエンジンに保証がつかないのが業界の常識となっている以上、ブランドを信用して高額料金を支払うなら、確実な作業をする保証つきのエンジン屋さんに部品から製作を相談をしたほうが費用対効果は断然高い。現車セッティングとエンジン本体のセットで保証つきの会社は存在します。

 富山にはホンダ、日産、トヨタ、スバル、全国のショップからの依頼など、業販用のエンジンを製作している「株式会社EFIテクノロジック」がありますし、他県にもショップが外注で、製作を依頼するようなエンジン屋さんはあるんじゃないでしょうか。もちろんチューニングメーカーやブランド好きな方は、ブランド名のついたコンプリートエンジンを選ぶのも良いかもしれませんが、中古車市場でのリセールは残念ながら1円も査定が変わらないという業界です・・・。

 

 エンジン系のその他のネタ(600馬力超まで)

エキマニは純正で対応〇。

スロットルは純正の6連スロットル対応〇。

サージタンクは純正で対応で〇。

アウトレットパイプは純正で対応〇。

純正触媒は純正は×。触媒ストレートで現車セッティング後にスポーツ触媒をつけて街乗り仕様にしておくといい。触媒でブーストのかかりが変わって、パワーもトルクも10%程度も低下する。純正触媒の利用はチューニングエンジンには論外。良いことが無い。