この記事は、昨年の記事「RB26は、800馬力の夢を見るか?」の続きです。
入門編
チューニングの心構え
この記事では「チューニング業界」や「チューニング行為」、「業界の闇」などについて触れてみました。
「チューニング」に興味を持っている方が、いきなり地元の有名ショップに車両を持ち込んで、チューナーに言われるがままにチューニングを進めてしまって、数年後に後悔しないためのノウハウをお伝えできたらと思います。
記事の内容を読み進めていくと、現状のリアルなチューニング業界を感じることができると思いますが・・・同時に、チューニングなんてやっぱりダメなんだ。無駄だなぁとか、馬力アップしたりチューニング自体も嫌になる可能性があります。
もし「冷めた気持ちになりたくない。」&「チューニングの勉強をする時間は無い。」方は「nismo大森ファクトリー」という日産直系メーカーがありますし、nismoは、全国の日産ディーラーを拠点にしていくつか存在しますから、相談に行ってみましょう。nismo大森ファクトリーなら「金に糸目はつけねぇから、一番速くて一番綺麗なGT-Rに仕上げてくれ。」と言えば、チューニング&レストアの両方の課題を、一発で解決することができると思います。
現代の第二世代GT-Rチューニングは、日産直系のNISMOで車検対応で行うことが安全安心!確実な作業!作業の保証!のどれをとっても万全体制です。
特に現代のユーザーに多くなっている、チューニング予算に余裕がでてきたお金持ちや、初心者にとっては、NISMOでのチューニングが1番間違いない選択肢となります。
ちょっと高めの費用はかかるので、費用対効果は低いんですが、保証面や将来的にリセールバリューは申し分ないですからね。
が!
ニスモファンな現代のGT-Rオーナーさんの中でも、600馬力を超えるハードな仕様にしたい方や、サーキット走行を前提としたチューニング効果(リスク+費用対効果)が高い選択肢を模索したい方にとっては、ちょっとニスモのチューニングメニューだけじゃ物足りない…。
そんなエンスーな貴方が、他の選択肢を探すときには、このブログ記事がきっと参考になると思います。
第二世代GT-Rのチューニングの心得
RB26の馬力アップチューニングは、数十万円で100馬力アップするという非常に大きく馬力が上がりやすいことが特徴ですが、馬力が大きく変化すると「自動車メーカーが設計時に想定していた走行バランス」が失われます。ブレーキ、足回り、タイヤ、ボディ剛性など、安定走行に必要とされる各部のパーツ性能が全く足りなくなっていきます。
特にBNR32のボディ剛性は、新車で280馬力のままハイグリップタイヤでサーキット走行するだけで、後方からミシミシっと音が出るくらいのボディ剛性しかありません。R35を筆頭にWRXや86のように、安全性も重視している近年の車とは比べるまでもなく貧弱なボディなんです。また近年のスポーツカーの多くが採用している電子制御による姿勢制御装置などついていませんし、そもそも「280馬力で走行する」ことを前提に設計されたボディやサスセッティングの車両です。
たとえ馬力アップチューニングで、エンジンスペックだけが600馬力になっても、R35GT-Rと比べるとボディ剛性、ブレーキ性能、タイヤ性能、足回りセッティングなど、走行性能の安全マージンが全く足りない車両に仕上がっていきます。
特に600馬力~のハイパワーな第二世代GT-Rを安全に運転するには知識と経験も必要です。
たとえ真っすぐな道でも、フル加速するときには、ギアチェンジ、アクセルワーク、ステアリング操作には細心の注意が求められます。
「急激な路面変化に非常に弱い」だけじゃなく、狂気じみた挙動を見せるのが旧世代のハイパワーチューニング車の特徴です。
GT-Rは四駆になるから安心と思っている方が多いんですが、これがハイパワーになると真っすぐ走っていても、一瞬の路面変化でリアタイヤがブレイクしてしまいます。
特に危険なのは、シフトチェンジのときに一瞬アクセルオフするタイミングで、そのときに路面に凹凸や、砂利などが多いなどグリップに変化があると、アクセルオフで重心も移動してますから、取っ散らかる可能性が高くなります。
さらに第二世代GT-Rは、ただでさえ車高やアルミでカッコつけるときに、3度を超えるネガティヴキャンバーになり、路面の凹凸にタイヤグリップ力が過敏に反応する仕様になってます。
この外観カッコ良い仕様に、プラスαハイパワーになると、ただ街乗りで真っ直ぐ走るだけでもハンドルがブレて不安定な走行になりやすいんです。
国際サーキットを走るなら、こうした舗装の問題は少ないですが、公道では路面状況が悪く、凹凸が多いため、ハイパワー車は急激なタイヤグリップの変化に弱く、サーキットよりも走行リスクが高くなっているという認識で運転する必要があります。
車両のハイパワーに合わせて、車両全体の安全性能や、走行性能をバランスよく煮詰めていくと、大型ブレーキキャリパー、ローター、ハイグリップタイヤ、足回りセッティング、ボディ補強など、多額のチューニング予算がかかります。
ハイパワーにあこがれて馬力だけを大幅にアップする!と、とんでもなくゲテモノで走行リスクの高い車両に仕上がるという点に十分ご注意ください。
はじめに自己責任ありき。
チューニングに限ったことではありませんが、社会では車のセッティングや、メンテナンスは「全てオーナーの責任」です。走行中の故障、トラブル、事故、起こること全てがオーナー/ドライバーの責任であって、社会ではこれらの責任を全て自分で負える方しか「車を運転すること」が許されていません。厳しいようですが車両整備の責任が取れない方、整備不良(競技用パーツ装着車など)の車両は、公道を走行すること自体許可されていません。※車検切れ、無保険車は論外…社会的に責任とれないですよね…。
自分で車両メンテナンスできないオーナーのために、社会では車検制度、整備工場、ディーラーなどのサービスが利用できますが、ハードなチューニング車両になると、多くの場合は整備工場でメンテナンスサービスが利用できなくなります。
ハードなチューニングに仕様される費用対効果の高いチューニングパーツの多くは、性能、取り付け方法、法令遵守など、車両の性能を保持するための安全性や性能を証明する検査や届出がされていないためです。
これらのチューニングパーツ類を取り付けて公道を走行することは違法となりますし、一般の整備工場では、違法な車両のメンテナンス作業を行った場合には、許認可を取り消されてしまったり、営業停止などの処分も受けます。ハードなチューニング車両をメンテナンスできる例外は一つだけで、それは非合法車両を、合法車両にするためのパーツ交換作業やメンテナンスに限られています。
さらに、車検対応パーツで固めた合法チューニングであっても、ディーラーを含めて多くの整備工場では、チューニング内容が正確に判断できない場合には「メンテナンスを拒否する」ということもあり得ます。車検対応パーツの性能証明書や保証書などの書類を決して無くさないようにしましょう。
30年前と異なって、違法なチューニングにはかなり厳しい時代背景となってします。
結果。
この記事で語られるチューニングの選択肢は3つです。
1、「自分か仲間とやる」
2、「整備工場に頼む」
3、「チューニングショップに頼む」
今回は2、「整備工場」と3、「ショップ」を利用するための注意点を、踏み込んで「誰も語らないチューニング業界の闇」の小話を交えてまとめてみました。
整備工場でチューニングする注意点。
整備工場の多くは、国から許可を得て車両メンテナンスを生業としている会社です。ユーザー車検などを専門に扱う整備工場もそのひとつです。一般の方から見て整備工場の車両メンテナンスと、チューニングは似ているように感じますが、その知識、経験、技術レベルで双方は全く別モノだと考えましょう。
たとえて話するなら魚屋と寿司屋のような違いなんですが、魚屋は魚を販売し、寿司屋は調理します。同じ魚を扱う業種ですので魚のことを良く知っていますが、魚の鮮度を保つノウハウと技術を持っているのが整備工場となります。
整備工場のスタッフに、車を美味しく味わう料理の仕方を聞いても、RB26エンジンチューニングについてお話しを聞きたくても、パーツの加工方法など詳細はわからなかったり、各部のチューニング内容に詳しくなくても当然なんです。
整備工場が日常的に行っている作業は、一般車両の「車検&メンテナンス」や、「アルミホイール&タイヤ交換、オーディオ、ナビなどの電装部品」の取り付け作業を主に行っていることが多く、これらは主に「車を維持したり、車を販売する」という目的のために必要な整備作業となります。
車両メンテナンスでも「整備書に書いてある通り」に作業を行うことで、車両の保証や整備作業の保証を受けられる仕組みになっていますし、正規の整備工場では、RB26チューニングのキモとなる「エンジンを高精度に組み立てる」とか、「ECUセッティング」で馬力が出るように詰めていく手法などの知識や経験は皆無です。
そもそも整備工場の中には、車検対応の「チューニング行為」すら禁止していたりする工場もありますから、チューニングだけで整備工場を利用しようとすると費用対効果が悪くなりがちです。
しかし、別の視点で見ると整備工場は安心感があり保証がしっかりしているところもありますし、またマフラー交換やタイヤ交換、足回りやブレーキパッド交換など、比較的に軽度なチューニングを楽しむなら十分に対応してくれる技術力はあると思います。
さらに重要なのは第2世代GTRをチューニングする前に、車両のレストアから始める必要がある場合が多々あり、板金塗装や純正パーツの交換などが必要になりこともあります。
その点は他の選択肢よりも、整備工場が1番費用対効果が高くなりますから、あらかじめ対応できる整備工場を探しておくと良いかもしれません。
第2世代GT-Rのチューニングは、誕生から約30年が過ぎた車両を、オーナーが「美味しく味わう」ための作業ですから、数十年経って死にかけの魚となっているGT-Rを、現代に蘇らせオーナー好みの料理に「美味しく加工する」という、レストア、チューニング技術を組み合わせた幅広いノウハウが必要となっています。
専門ショップでチューニングする注意点。
チューニング専門ショップの多くは、その名の通り得意とする車両のエンジンから足回りまで技術、知識、経験に自信があって、主に「地元のサーキット」で、自社のノウハウを蓄積して、それを基にしたパーツ交換やセッティングを生業とするお店です。多くの場合、サーキットに通う常連や、デモカーなども店頭に並んでいて迫力があってお金のかかっているスポーツカーが並んでいることが多いです。
技術的にはエンジン、タービンECUセッティング、ミッションなどの分解整備、足回りやタイヤの性能など幅広く精通しており、近年では海外製のパーツを取り入れて、燃料の調整からチューニングしていく世界レベルのハードチューナーもいる業界です。
チューニング業界は、常に新しい技術やノウハウを実践して進歩していますから、これらに投資して実績を積み重ねたショップと、古いチューニング手法に囚われて挑戦をしていないショップでは、技術レベルや新製品への対応力の差が、かなり広がっているように感じます。
現存するチューニングショップの多くは、経験を積み重ねたチューナーがいるショップですから、車両トラブルなどもサーキット走行など車両の限界を見極めているからこそ、その経験に基づく「トラブル防止策」「車両補修」などみ考慮してチューニング作業をしてくれるショップもあります。
この点、マニュアル作業が徹底しているディーラー整備工場には無い利点となります。第2世代GT-Rの車両トラブルへの対策ノウハウが蓄積されているショップだと、他の選択肢に比べ、チューニングによるトラブルも「基本的に少ない」のが特徴です。
ただし、チューニングショップにはNISMOやディーラーよりも幅広いパーツの知識や、加工など実務経験が豊富なスタッフがいるショップが多いのですが、その反面、社会的に許可を得た「整備工場」ではない場合も多々ありますし、作業の保証があるショップは少ないので、安心を得たいなら事前に保証面を確認しておく必要となります。
ここで注意があります…!
自分の車両になんらかの「不具合が生じたとき」に、チューニングパーツを取り付けたショップが悪い⁉ボッタクリ⁉ショップの責任⁉教えてくれなかった⁉知らなかった!?などという「坊や」っぷりを発揮して、チューニングの結果について、他人に責任を取らせるつもりなら、ハッキリ言って貴方は「馬力アップをしよう⁉」などと、他人に「チューニング行為を委託する」ことはやめておいたほうがいいです。
この記事で紹介していくチューニングメニューの多くは、話の前提として、自分の命も、他人の命も、社会的責任も、チューニングを選択した貴方の「自己責任」という理解をしている大人が、自分でリスクを負ってチューニングを楽しむということを前提に掲載しています。
「専門ショップ」だろうが「整備工場」だろうが、他人に作業を依頼するということは、貴方が選んだ方に「作業を任せる」という覚悟があり、あなたの命を預けているということでもあるのです。
もし走行中に故障や事故が起きて、その原因がチューニングにあっても、それはその作業をしたショップや担当スタッフだけが悪いのではなく、社会的な視点では「車両のチューニングを任せたオーナーの責任」もあります。事故の被害者や一般人の視点では、全ての責任は車両オーナーが、そのパーツを交換して「車両をチューニングした」という結果によって起きてることですから、チューニングしていなければ発生しない事故やトラブルだと追及されてもおかしくありません。それが違法改造を行った結果なら、オーナーに法律的な責任も問われます。
公道でも、サーキットでも、車両オーナーは「車両メンテナンス」と「安全運転」に、全責任を負ってチューニングを楽しんだり、乗って楽しめるんだだ。という心構えは必要だと感じます。それくらい世間の認識はチューニングに対して冷たいものです。自分もマクドナルドなどに行くと、主婦や子供連れの家族から、野良犬を見るような視線をいただくことがあります。いまの車はハイブリッドなどが主流になりつつあり、どの車両も静かになってるんで排気音に敏感な方が増えています。
第二世代GT-Rだと車検対応マフラーを装着して、駐車場でアイドリングして停車しているだけでも近所の住人に通報されるほどです。逮捕はされませんがご近所トラブルの元となっても、そのトラブルって「マフラー交換」の作業を請け負った専門ショップの責任じゃないですよね・・・。それは他のパーツでも同様なんです。
ショップ選び。
失敗する=資産も命も危険にさらす。
チューニング初心者にはハードルの高いお話ですが、チューニング行為は合法、非合法を含めて全責任が「車両のオーナーの責任」となるリスクを覚悟して行うものです。特に公道走行では、自分だけじゃなく、他人の命もかかっているんですから、ショップなどで他人に作業を依頼する場合には作業を任せられるかどうか?を判断する必要があります。ネット上の噂や、名声、人気、友人の紹介など、相手を信用しきっていると痛い目にあいますので注意しましょう。
チューニングの作業リスクを知る。
多くの有名チューニングショップは、現代でも旧世代のビジネスモデルを継承しています。この業界は昭和の時代から、作業の「責任の所在」や「責任の範囲」が明確ではなく「保証も曖昧」な業界です。
また人間ですのでどれだけ気を付けていても、チューニングパーツの取り付け作業などで愛車に傷がついたり、損傷させることもあり得ます。
だからこそ、どこのショップに作業を頼む場合でも、車両を受け取る際には最低でも「自分で作業箇所の目視チェック」ぐらいは必要ですし、できれば作業途中を見学しておくことをお勧めいたします。どんなに有名なチューニングショップでも、作業スタッフにメンテナンスも、チューニングも任せきりにして「信用しきる」のは車両のオーナーとしてリスクが高いと言えます。
たとえばタービンのオイルラインが間違って取り付けられていても車は動きますし、エンジンもボルトが数本止まっていなくても普通に動きます。依頼した作業がしっかりできてなくても、異常がすぐに発生しにくい「作業ミス」の場合、その多くが普段は目に留まりにくいところで発生しており、納車後にしばらく経ってからトラブル症状が出始めます。そのためチューニング入門者にとっては、敷居が高くなるのが作業に保証のつかないチューニングショップだとも言えます。
今も昔も、初めてチューニングショップを利用する方の多くは「チューニングや車両メンテナンスについて知らない」ことが多く、どんな作業に?何に?いくらかかるのか?どんなリスクがあるか?は知らずに作業を依頼していたり作業内容を知らないために、目の前で作業ミスが起こっても気がつかなかったり、もともと車両が壊れていたと言われれば信じてしまうことでしょう。
そのため多くの初心者が、ショップの利益を生み出す「カモ」になりがちです。
チューニング業界はスタッフの接客力で売上が上がるので、技術ではなく「人間関係を原資」にして売上を上げているショップが多々あります。カモネギの貴方に対しては非常に対応が良くて当たり前ですから「接客対応がよかった」から安心!と思って作業を依頼すると、いつまでもカモ扱いが抜けませんし、きっと後悔することになると思います。
自分で作業前にお店の様子や、見積もりや納期を確認して、なんか変だなぁと思ったら、納得がいくまで調べたり、仲間や他の業者とも比較してから作業を依頼しましょう。家電製品や携帯、家、車を買うときも、同じように製品やスタッフを比較検討して慎重に選ぶでしょう。
顧客心理的には、一度信用して車両のチューニングをはじめると、ショップのスタッフが作業ミスしても寛容になってしまいますし、人間関係が構築されると行きつけのショップを変更し難くなりがちです。
でも命を預けるのも責任を負うのも貴方なので、良いか悪いかを判断すべき視点を持つことが、費用対効果だけでなく、自分自身を守るうえで大切だと言えるのではないでしょうか。
チューニングによる車両破損や、ウソみたいな作業ミスが起こっていたなど、富山だけでもヒヤリ&ハットの体験をしたオーナー同志で会話が弾むくらいですから、全国でも各地で多々トラブルは起きているんだろうなぁと想像します・・・。当然ですが、こうした情報はネット上の話では、真相は判断しかねることもありますので、自分が気になるショップがあったら、噂は噂としてまずは自分の足で直接ショップに行って判断する必要はあると感じます。ちゃんとした「チューニングショップの見極め方」は、後述してありますので、チューニング初心者の方は、できれば最後まで読み進めてください。
専門会社で、自分専用のパーツを制作する。
チューニングカーの足回り、エンジンオーバーホール、ECUセッティング、ハーネス製作、ボディ製作など、ちょっと高度な技術スキルと、設備を必要とする専門的な作業を他人に依頼するなら、その技術を持った専門業者を探して、直接依頼することをお勧めします。
ここで言う専門会社とは、エンジン、ハーネス、ecuセッティングを扱うだけではなく、車庫調、キャリパー、マフラー、ターボ、パイピング、エアロパーツ、エンジンパーツ加工、アルミホイール、ミッション、ボディ製作など、自動車部品のパーツを、部品から設計して制作できる専門会社のことです。
彼らは車両の仕様と、サーキットごとにどんな性能が求められるか?をデータを基にした製品制作をしてくれますし、自分の好みや車両にあった専用設計でパーツ制作したり、市販されていないパーツをゼロからワンオフ制作をしてくれる会社でもあります。
これらの専門会社の多くは、自分たちの仕事にプライドと責任を持っていますから、はじめから作業「できる」ことと「できない」ことがハッキリしています。
専門外のことはやりませんし、依頼主が作りたいパーツの仕様や、設計をある程度は指定できる知識がないと、全く相手にしてもらえません。hksなどメーカーの製品に満足できないくらいに、個々のパーツにコダワリが出てきたチューニング上級者にとっては非常に心強い味方となります。
当然ですが、プロに製作を依頼したワンオフパーツは一品物ですから、製作予算が一般向けの市販品と比較して数倍〜数十倍まで跳ね上がりますが、打ち合わせなどは十分に行われますから貴方の満足のいく品が出来上がってくるのは、すでに保証されているようなものです。
製品の品質、サービス内容、納期、支払い金額も確定してから作業を始めてくれますし、保証の範囲も明確ですから、最後まで安心して取引できます。
問い合わせで、いきなり失敗しないように。
専門会社は、社会的な責任を理解している「会社」であることが多く、現代社会におけるチューニングの責任範囲を十分に理解してますので、依頼主との取引では信用を重視しています。初回取引では個人の依頼を請け負ってくれるところが少なく、自動車部品の卸問屋や、大手のチューニングショップなど信用がある取引先を経由したり、紹介がないと対応してくれないところが多いと思います。
ただインターネットでホームページを持っている専門会社の中には、「丁寧にお問い合わせ」をすると、アポイントが取れ、直接訪問できたり作業の見学対応をしてくれたり、部品を直接送って検査したり、加工しても良いですよっていうような会社も存在しています。
自分で会社を経営している方などは、社会的責任も高いのでB to Bのお取引ができるかもしれませんから、必要なことは直接連絡とってみるのもいいかもしれません。
問い合わせ時点で「製品やサービスの詳細を質問しまくる」とか、「一回も取引してないのに面倒な奴だな」とか、「チューニングをわかってない奴だな」とか思われると、取引リスクの高い相手として、あとあとまでその印象が響くことになりますから、相手が作業時間を削って電話対応してくれていることを考えてたら、「アポ電」だけに短く済ませるほうが印象は良いかもしれません。
ドツボにハマる・・万能型チューニングショップの例
ここで最近多くなっている車検から車両販売まで、なんでもやる万能型チューニングショップに依頼して、ドツボに陥りやすいパターンには共通点があるのでご紹介しておきます。
結論から言うと1番トラブルになりやすいショップは、依頼時に「納期が確定しない」という共通点があります。納期が確定しない仕事は、ショップの都合でいつ出来上がるのか?全くわからないまま時が過ぎて、数年ぐらいは平気で過ぎていきます。本当にオーナーが忘れたころに「作業始める?」「やめる?」と連絡が来るのがチューニング業界の闇です。
背景にあるのは業界が低賃金で、車が好きな方が、趣味と実益を兼ねて勤めておられるスタッフが多いことや、ユーザー側の知識や経験が乏しいままチューニングショップを利用しはじめることが挙げられると思います。深夜勤務もあり得るアニメ制作会社ほどまで過酷な現場ではありませんが、時代的にスタッフに高度な専門作業ができる技術を持った人材が少なくなっているうえ、本来はショップが苦手な分野や「やりたくない」とか「できない」ことでも、作業を引き受けてしまうショップ経営者が多くいます。
どこの業界も売上は、第一優先なのはわかりますが、手間のかかる面倒な仕事の多くは、自分たちでどうしようもなくなったときに、ようやく他社に外注したり、自分たちの都合の良い時期、車検やメンテナンス整備の仕事が少ない、主に売上が上がらない時期のために作業をストックしていきます。
もし貴方の車両が、ショップのストック置き場にあるなら、他にも過去から複数年ストックされているような車両があるショップには、十分注意が必要になります。
さらに、納期が未確定のまま、仕事の金額だけが確定して前金でお金を請求されて支払ってしまっているパターンです。
それ、業界の闇なんです・・・。
すでに経験済みの方もいると思いますが、チューニングショップの「暇なときにやります作業」は貴方以外にも同じように待機している待機〇童が他にもたくさんおられます・・・。つまり自分の番が来るまで、どれだけ納期がかかるかわかりませんということです。それこそ富山でもエンジンオーバーホールに「4年待ち」で部品代はすでに支払い済みという事例もあります。いつまでも作業が始まらなくて激オコっているオーナーさんの話も耳に入ったことがあります。その待機期間中に、数年の歳月が過ぎ、お店のストックヤードに屋外放置されている車両は朽ちていきますからね。お店が保管していて傷んだならお店で責任もって直すんだよね?とオーナー心理なら確認したくなりますよね…。
ですが当然そんな車両の経年劣化の責任を、ショップが負うことはありません・・・。むしろ無料で保管してあげてるので、お店の都合で作業順番も入れ変わりが頻繁にあります。自分よりも後に入庫した車両が、なんの告知もなくお店の都合で自分より先に作業に入っていたりもします。ハッキリいってこういう取引上の信義上に問題の多いチューニング業界ですから、それらを譲歩してまで、危ないショップに大事な車両を任せるメリットも、義理も私たちオーナーには全く無いと思うんです・・・・。
チューニング初心者がインターネットや、口コミだけで最初に通い始める「ショップ選びを失敗する」と、こうした「できるよ」&「やるよ」詐欺に巻き込まれ、先に代金を支払ったにもかかわらず、いつまでたっても納車されないというとんでもない事態に陥ってしまいます。その間は大好きな車に乗れなくなっていきますし、先にお金を支払っている以上、ショップと関係を悪化させたくなくて、ずるずると問題が解決できなくなったり、もう乗れないと諦めたり、次の車を買ったりしている被害者オーナーさんは日本中に多くいらっしゃるようです。
この記事を読んでくれてる貴方もチューニングや、エンジンオーバーホールの待〇児童になりたくないなら、お客さんの立場から、しっかり「自己責任」で「ショップ選び」を厳選、確かなショップを見極める必要がありますよ!!
暇な時期にやる代わりに、安くするょ!の甘い罠・・・。
というのは業界の常套句で、クドイようですがエンジンブローなど直すのに時間がかかるトラブルが発生した際の事例として、ホントよく聞く話なんですが・・・。「暇なときにやるから安くする」という常套句を使うショップの多くは、原則として全く信用してはいけないショップの代表格となります。
そもそも自分たちが暇な時にしか作業しませんよ!って自分で言っているわけですからね。貴方となんらかの人間関係があっても、これは口頭で成立させたらいけない契約ですよね。あなたが「納期が決まらないなら頼まない」と決めればよいだけですからね。だって相手が納期に対して責任は取りませんよ!と宣言しているんです。こういうショップの見積もりは、ソレ自体が適当で「本当に安く」見積もられます。しかし実際に本当に必要な部品は作業をすると、当初の見積もりは「なぁなぁ」ですので、必要な部品が増えてコストが増えていき最終価格は見積もり価格の数倍に高騰していくパターンもあるようです。そこにクレームをつけようものなら必要な部品交換をしないで納品されたり・・・コレも富山だけじゃなく、全国で調べるとかなり有名ショップでもこうした事例が発生してるんですよね。
お客さんが無知だったり素人だったりすると、こうした契約トラブルにも巻き込まれやすくなります。チューニング業界の多くの万能ショップでは、納期の確定しない契約をしたいワケがありまし、それが自分たちのビジネススタイルであり、一部の健全なショップを除き、それが異常なビジネススタイルだとは考えてはいませんからね。
安心できるチューニングショップ選び方。
チューニングをショップに頼む場合、たとえ費用が「2~3割見積もりが高く」ても「納期、部品価格、作業費用、作業内容」を、事前の打ち合わせで明確に決めて、作業を予定通りに実施してくれる専門業者を探してから作業を依頼したほうが、納期の確実性も、作業の信頼感もあって安心して取引できると思います。加えて自分の作業にコダワリをもって「作業内容が確認できる」&「保証」もついている会社だと完璧だと思います。
特にRB26のオーバーホールは高額ですし、最近流行っている最新ECUの取り付けには、ハーネス加工やセンサー追加、セッティングにも実務経験が無いと制御ソフトの機能の大半が無駄になる仕様で、エンジンもecuも性能を最大限に活かし切れないことになりがちですから、貴方の車両を事前にチェックして、しっかりとチューニングメニューを打ち合わせをしてくれる専門ショップを探しましょう。
良いサービスは良い、ダメなサービスはダメ。
チューニングは寿司屋のようなものですから魚を美味しく食べれるようにあなた好みに料理できるか?が問われます。作業の「デキル デキナイ」は結果を見てお客さんの厳しい視点や評価で判断すべき内容となります。ショップとの人間関係が良好だからといって、あなたの車両の作業がちゃんと出来ていると判断するのは、大きな間違いを招きます。
チューニングショップの多くは、新製品や最新技術を提供「できる」=「できると思う」という認識です。オーナーの認識は「デキル」=「完璧な作業」という認識です。
作業前から、すでに両者の認識は大きくかけ離れているのですが、オーナー側は製品知識が乏しいので、チューニングの効果や「結果の判断」が正確に評価できないというジレンマが発生してしまいます。双方の認識のズレと、オーナーの見識不足によって、チューニングの費用対効果が悪くなる原因ともなってしまいます。
こうした当事者同士の認識のズレは、閉鎖的でグレーゾーンの多い業界で起こりがちな問題ですが、チューニング初心者にとって少しづつ馴染みになってきたショップでは「作業をお願いしている」という感覚があり、対等な立場で任せた仕事の評価「良い・悪い」の判断ができずに、不満を許容してしまっていることありませんか?
本来であれば行きつけのショップだからこそ、将来のためにもお互いのためにも、日頃の作業や会話から相手がその分野の責任がとれるプロか、見定めは必要ですし、ユーザー視点でどんなチューニングをやってほしいのか?
必要に応じて、明確な指示や作業の指摘も必要だと感じます。作業がショップ任せになってしまうと、後々大きなトラブルを招く原因になります。
チューニング行為は、明確に「車両オーナーである貴方の自己責任」ですから、最初に自分がやりたいことや手順を理解してから、プロに作業を任せるのがチューニングのトラブルを避ける唯一の方法となります。
効果も、リスクも、取り付け方もわからないパーツを、チューナーに言われるまま任せきりで使用していくのは、後々さまざまなトラブルの元になります。
ショップで作業を頼むときの基本原則。
・発注者(客)には、お金を払う義務があり、契約どおりの品を受け取る権利があります。
・受注者(店)には、契約どおりに納品する義務があり、お金を受け取る権利があります。
お客さんとショップの契約内容が曖昧だと、作業結果によってはトラブルとなる可能性は高くなります。
日本のチューニング業界では、車両オーナーにチューニングの自己責任に関しての自覚がなく、何か車両トラブルがあれば「全部ショップの責任」と考えている方が多いと感じます。
他の業界なら、契約どおりにオーナーとショップは対等な立場で作業を委託する。という、当たり前の認識が定着していますが、チューニング業界では、契約が明確になっていないことから、車両オーナーは自分の責任範囲を実感する機会が皆無で、ショップ側も顧客と家族のように人間関係を築いて、これを基にして未然に自社の責任問題となる大きなトラブルを回避しつつ、保険やネットワークビジネス業界のように、顧客の囲い込みをしているという日本の独特なビジネスモデルだと感じます。
チューニング作業でも請負契約や委託契約が無いと、作業の責任の範囲や所在が不明になります。
まとめ
海外でもチューニングは盛んですが、日本とは異なり子供の頃から親や兄弟、仲間同士で車をいじってエンジンを分解したり、自分でメンテナンスしたりして、カーライフを楽しむ文化があります。
日本の法律でも海外のように、自分で自分の車をチューニングを行うことはできますし、エンジンを分解整備して公道を走行しても問題ありません。
そもそも日本の法律では、自分の車は自分でメンテナンスすることが前提となり、これを自己の責任において整備工場に委託することで補うことができるとなっています。
繰り返しますが、チューニングは技術と知識と工具があれば自分で好きなように整備を楽しむことができますが、同時にその行為には自己責任が問われるんです。
整備工場やショップに作業を依頼する場合は、本来なら自分で行う「チューニングを他者に任せる」というリスクを負っていることを心構えして依頼先を考えましょう。
さて今回は、初心者がチューニングをはじめる前の心得編として、どうやってチューニング行為を行うのか?その選択肢には、どんなリスクが潜んでいるのか?を自分なりにまとめてみました。
次の記事では、
実際の馬力アップチューニングの内容について記載していきたいと思います。