bnr32 エンジン rb26 鈴鹿サーキット

toyamaBNR32 ときどき JZA80 diary

富山でBNR32をレストアしているオジサンです。今後はBNR32のお手軽レストア情報や、RB26エンジンのオーバーホール、チューニング情報などでGT-Rがお好きな仲間のお役に立てたらと思います。

toyamaBNR32’s diary 2016-2017

RB26は、800馬力の夢を見るか?初心者編 フルチューン ブーストアップ タービン交換など。 BNR32 BCNR33 BNR34 共通事項。

 

久しぶりのブログ更新です。

車も、私も、すこぶる元気に過ごしております。  

 

 

すっかり富山も残暑気分ですね。

そんなときは・・・・。 

 

 

俺のGT-Rも。

800馬力仕様!にしよう!?

  

 

残暑を迎えた日本では・・・・。

800馬力への大志を抱くGT-Rオーナーが増えているようです。

 

 

 でもRB26チューニングは今から20年〜30年前のチューニング現役世代(いま40代~おじさん)にとっては当たり前と思われる知識や技術でも「いまさら他人に聞けない!」ってことは、まだまだ沢山あるもんです。自分のわからないことはインターネットですぐ検索!って、そんな便利な時代じゃなかったですからね・・・。

 いまの若いオーナー方でも、カム、タービン、ブースト圧、燃調、バルタイ、点火時期、排気量UPなんて、なんとなく知っていても何のためにチューニングかは本当はよくわかってない!って、そんなことありませんか?

 

  平成初期に登場したBNR32は、当時のフェラーリやポルシェなど外国のスーパーカーと比較して、圧倒的なコストパフォーマンスで600馬力超を体験できる車でした。チューニングパーツも純正部品もスーパーカーに比較すると、10分の1ぐらいの安価な価格ですので、維持費がかからず圧倒的な加速を堪能できちゃう!?稀な車です。

 いまでは外国勢も600馬力超は当たり前ですが、当時はスーパーカーで300~400馬力(F355)ぐらいだったんですから。RB26のタービン+カム交換程度で400馬力超を楽しめるGT-Rは、コストパフォーマンス最高!ですよね。それは現在でも同じで400万もあれば、なんとタービン含めて新品部品で600馬力仕様が作れますし、中古エンジンでも200~300万もあれば600馬力超仕様にオーバーホールで組みなおせるリーズナブル設定な車です。

 

 そこで今回は、もう一度RB26馬力アップのチューニングメニューで「コストパフォーマンス」に的を絞ってRB26のチューニングについて考えてみようと思います。

 

この記事思ったより長くなったので。

1、コストパフォーマンスを考えたチューニング方法(今回の記事)

2、実際のチューニングメニュー(次回)

に2部にわけて書いてます。

 

それぞれチューニング初心者の方でも読めるようにしてみたのですが、細部には行き届かないこともあるかもしれませんが、どこかの誰かの役に立てたらと思います・・・・・・。

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GT-Rチューニング。人柱の闇歴史あり。

 心当たりのある方は多いと思いますが、BNR32の現役当時、約30年前の世界ではRB26チューニング手法は、噂、口伝!?でチューニング情報が広まっていた時代ですから、全国のGT-Rオーナーは行きつけのチューナーを頼りにメニューを決めて、チューナーの試行錯誤にもお付き合いしていたので、裏には膨大な数の失敗があったんです。それこそ日本全国で同じパーツを、サイズを変えて、材質を変えて、形状を変えて、など繰り返し交換することは頻繁に起こっていました。

 

「高出力の第二世代GT-Rを安定して運用するために、どんなパーツやセッティングが必要なのか?」

 

 当時は日本中の多くのBNR32オーナーが「人柱」で試行錯誤していた時代でもあるんです。当時、壊れにくいRB26チューニングというのは存在せず、600馬力超えの車両をサーキットで運用するノウハウを手に入れるために、どこでもエンジンを壊して直しての繰り返しで、600馬力を超えるとゼロヨン数本走って即ブローとかもありえる時代でした。

 我らが富山でも、1000万超えのローンをもっていた方はゴロゴロいましたし、昼は正社員、夜はアルバイトして月15万~のローン、5万超のガソリン代を払ってた20代の走り屋が存在したチューニング最盛期!?です。当然ですが、当時はそれぞれが大金をかけて培った「馬力を出すための最短ルート!?」や「RB26馬力アップ系の情報」は、オーナーやお店にとってノウハウは大切な「資産」ですから秘匿されてきたわけです・・・。

 

デジタル時代の到来

 現代のチューニング業界は、そんなRB26チューニングの「人柱時代」の延長線上にありますが、現代ではセッティング機械の進歩により、最新機材を導入している会社では、高精度の馬力計測装置や「MOTEC」など実際に世界のレースで使用されるようなECUを使うことも可能になっています。

最新ECUの多くは、AF、排気温度をはじめ車両にある各種センサーからのフィードバック機能、セーフティ機能があり、チューニングによるエンジンの故障リスクをマネジメントすることが可能になっています。

当時のような「実走セッティング」の曖昧さは無くなり、結果は全てデジタル数値で表されるようになりました。実走セッティングをしていた時代に比べ、ECUセッティング変更だけでも結果が20%~の出力差が出ても不思議ではないチューニング新時代に突入しているのが現代なんです。

 

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 またチューニングのコストパフォーマンスに大きな影響を与えているのは、やはりインターネット、携帯、SNSの普及です。アルミホイール、車高調、純正パーツをはじめ「オークション」を利用して必要がないパーツ類を、個人でも売ることが簡単になったので、当時に比べ無駄な投資やリスクが減っています。

 

 BNR32の現役当時から比べると、現代の第二世代GT-Rオーナーは、リスクが少なくかつお手軽な費用で600馬力超を楽しめるようになったと言えるんじゃないでしょうか⁉

  

 

 

もうオッサンだからこそ。無駄なパーツに予算をかけない!・・・。 

さて過去の経験から、チューニングは無駄な費用がかかることが多かったという方は多いと思うのですが、無駄な出費」が起きるのはどんなときだろうか?と振り返ってみます・・・

  

 

<無駄な出費1>

 「パーツ交換しても効果が無い」その類似パーツを、また他の商品に交換するという一進一退の繰り返しでパーツ交換の効果がわからなくなるとき・・・。これは車の仕様変更時に発生しやすくなります。また同じパーツ変えるのかよ!?ってね。

 

 

<無駄な出費2>

 無計画にチューニングを初めて「チューニング」→「故障」→「修理」の繰り返しから、馬力が伸びないだけでなくエンジンも壊してしまって修理費用でチューニングコストは増えていきます。庶民はフルチューンエンジンが一度でも壊れたら、もう二度と作る気になれません。RB26フルチューンは最低でも200万以上の費用がかかりますからね。

 

 

<無駄な出費3>

 自分に「エンジンとチューニングの基礎知識が無い」ことで、お店に薦められるままのメニューでいじっていくことになると、自分で費用対効果の高いメニューを選択することができず、無駄なコストが増える原因となります。自分の車は自分が責任をもってチューニングメニューを選択するのが間違いありません。

 

 チューニングは自分が目指している「最終仕様」を決定し、オーナー自身がチューニングルートを選択できることが無駄な予算がかからない唯一の方法となります。途中でそのルートを変更することがあれば、その分チューニング予算は増えていきます。一度決めたチューニングの最終仕様は変更せず、そのあとの維持費に回したほうがGT-Rライフは長く楽しめると個人的には思います。

 

 

 

最終仕様とカテゴリー。

800馬力=ゼロヨン、サーキット(タイムアタック仕様)

600馬力=サーキット(スポーツ走行仕様)

400馬力=街乗り(保存仕様、スポーツ走行仕様)

 

自分の車の最終仕様は、ここから選んで最初に決めておくとコストパフォーマンスの高いチューニングメニューが選択できます。これはショップに相談に行くときにも参考になるので考えておきましょう。

 ちなみに500馬力仕様は、多くの場合600馬力仕様を作ってECUセッティング変更を加えるだけですので、同じメニューとなりチューニングのステップもパーツ構成も同じになると思います。

そんな人いるか?はわかりませんが、600馬力仕様で400馬力はデキナイ可能性が高いので注意が必要です。後にタービンの説明があるのでそこで理由を記載します。  

 

 

 

800馬力にするなら。知っておく基礎知識がある。

 過去から培われた知識や技術は、R35の新技術の登場で数段階は進歩しましたが、エンジンの馬力アップチューニングのメニューは、過去も未来でも覆らないであろう内燃機関が馬力を出すための「原則」を理解していると多くの無駄を省けます。まずは雑誌などのパーツ情報を、そのまま鵜呑みにせず、「エンジンの仕組み」をある程度知っておくとRB26チューニングで「今後一生、無駄な出費をしない」と思います。

ここでは、馬力アップチューニングの全体像、具体的なメニュー内容もまとめてみました。

 

   

1.エンジン馬力アップの原則

エンジンの仕組み編

 車のエンジンは、吸った空気を、燃やして、吐いて、その過程で発生する出力を、車両の動力へと変換しています。そう・・・空気を口からすって、ケツから出しているんです。この空気の流れは一方通行で、途中を遮ったり、詰まってしまうと、簡単にエンジンは停止します。

 マフラーに何か詰めたり、エアフロパイプに栓をすると、アイドリングが不安定になったり、ストールしますので試したい方は試してみてください。

 車のエンジンは、大きくて複雑そうに見えて、実はシンプルな構造の機械でもあるので、難しく考えないで大きなエンジンつきのラジコンみたいなものだと考えておきましょう。

 

そして。

エンジンに空気が入って出ていく経路は、RB26馬力アップチューニングの最重要課題です。

 

1、空気入れる。

2、燃料入れる。

3、爆発させる。

4、排気する。

 

 RB26のような4サイクルエンジンは、この行程を「効率よくする」ことで、結果として馬力アップすることができます。それが馬力アップのチューニングの基本的な考え方です。

 

 何度も繰り返しますが、1から4の行程に関わるパーツ類の交換、ECUセッティングを変更してエンジンの吸/排気の「効率をよくする」ことが、馬力アップの最短チューニングメニューで、これがRB26馬力アップチューニングの「基本原則」となり、レース活動などを行うようなアフターメーカーの商品ラインナップは、この基本原則に沿ってパーツ開発がされています。

 

 

この基本原則以外でのパーツでは、

馬力アップはしない!」といっても過言はありません。

 

 

 タービン交換、排気量アップ、カム交換、マフラー交換、バルタイ変更、ECU現車セッティングも、全てこの4サイクルの効率アップを目指すという原則に沿って、行われているチューニング方法の選択肢です。吸排気系のパーツ類の組み合わせとセッティングに予算をかけることで馬力はアップしていきます。

 特に個人的にお勧めなのは、最近のECUはA/F補正やセーフティ機能がついていて、ECU選択とセッティング内容によって馬力の出方が1割~2割も異なりることが増えているようです。同じチューニング内容でもRB26だと100馬力以上も変わる可能性があるのがECUセッティングで、現代ではMOTECやLINKを含め海外製品の性能がかなり高いので、海外製のECUでセッティング精度が高い会社やお店を事前に探しておきましょう。 

 

 

 

2.馬力アップで、超重要パーツは?

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※画像参考 GTX3584RS(550~1000馬力対応) GCG websaiteより

 

それは・・・ズバリ!「タービン」です。

そう馬力を出すのは、「タービン」なんですね。

本当は大事なパーツはECU!と言いたいところですが、RB26エンジンの4サイクルの効率向上のために、一番大きな影響と限界馬力を決めるパーツといえばタービンなんです!

限界馬力、エンジンレスポンスに、「機械的な制約」を与えるのがタービン性能です。

600馬力も、800馬力も、タービンで馬力が決定されているといっても過言ありません

ちなみにRB26最終型のBNR34の純正タービン+ガソリンで、絶対に600馬力を超えることはありません。

絶対といっていいのか?というと・・・。

 

そう、これは絶対なんです

  

ターボ車の限界馬力は、「エンジン排気量+タービン流量」でほぼ決まります。

機械的な制約は、タービンの設計にあります。

タービン流量が大きい設計であれば大きいほど最大馬力も大きくなります。600馬力以上を出す場合は、RB26でもタービン交換は必須となります。ちなみにBNR32~34純正タービンのツイン仕様は、450馬力程が限界だと言われています。※一部を除く

 タービンは交換が一見簡単なように見えますが、タービン特性に合わせてエンジン内部のパーツ類やインタークーラーなど吸排気ルート全体のパーツ性能を決めるので、適当なタービンへ交換しちゃうと、あとあとエンジン全体のパーツ変更コストがかかる可能性があります。

 RB26だと最初から800馬力超、600馬力、400馬力の3つの最終仕様から、どのクラスのタービンが自分の使い方に合っているかを決定しましょう。

現代だと下記の実馬力が出せれば、各仕様の目安となるかもしれません。

最後に注意ですが、800馬力超のタービンを使うと、タービンが回り始めると最低500馬力ぐらいは出ちゃいますのでタービンはそれぞれ最低〇〇馬力~最高〇〇馬力の対応となります。

仕様変更の際にはご注意ください。 

 

  

 

仕様とカテゴリー

800馬力

ゼロヨン、サーキット(タイムアタック仕様)

 

600馬力

サーキット(スポーツ走行仕様)

 

400馬力 

街乗り(保存仕様、スポーツ走行仕様)

 

 

  

 

RB26に大型タービンは使えない?

よく大きなタービンは、RB26では回せないといいますが実際はどうなのでしょう?

パワーバンドはエンジン排気量と、ECUセッティング、タービンサイズと特性などで変化しますが、最大馬力を出す仕様で、空燃比を詰めていくと概ね同じような出力特性になるんじゃないでしょうか。ってことで知ってることを書いておきます。

諸事情でパワーグラフは掲載できませんが、比較する情報はご紹介いたします。

 

1、「RB26 + 34STD×2

最大トルクは5000~5800回転付近で発揮しフラットなトルク特性となります。馬力の出方もNAの大排気量のパワーグラフのように綺麗な放物線を描くのが特徴です。

ブースト1.1㌔ぐらいで最大効率になり、7000回転付近で約400馬力が頭打ちになります。

 

2、「RB26 + T88-34D

5500回転以上最大トルクは7000回転付近で頂点を描くようになります。

トルク特性は5500回転付近から急激に上昇して7000回転付近で頂点を描きます。馬力はトルクと一緒に5500回転付近から急激に伸び9000回転を超えて伸びようとします。

高回転型のエンジンにはあってるタービンなのかもしれません。

ブースト2.4㌔以上で最大効率になり、9000回転で800馬力超えを狙えるのがT-88の特徴となります。

 

 

のときツイン仕様と、シングル仕様の2つのタービンのパワーバンドを比較をすると・・・・。

実は、約5000回転まで馬力もトルクも一緒なんです。

 

 

 つまり何が言いたいのかというと、大きな800馬力超えを狙えるタービンでも、5000回転以下で馬力出ないってことじゃなく、下も馬力があって、上が異常に伸びるようセッティングを詰めれるのが、ビッグシングルの魅力なんです。現代だとVカムなどの可変バルタイ機構などを取り入れると、さらに500回転ほど下(5000回転付近)からパワーバンドが広がって、さらにRB26にはデカいタービンが馬力が出やすく速くなるってことになります。

 

2.8L仕様にしたらビッグシングル仕様で、さらに低速トルクが出るのか?というと・・・。

残念ながら2.8L仕様では体感できるほどの変化はおきません。排気量アップは大きなタービンを回すためのレスポンスが向上することへ僅かに貢献しますが、トルクバンドや馬力自体は5%も変わりません。

実は、RB26は2.6LのままでもT88は回せますしハイブーストも掛けられるんです。

 

ですが・・・。

 2.8Lキットの多くは、古くなったRB26を一度オーバーホールする際に、エンジンパーツを強化素材を使ったものへ変更したり、内部パーツの耐久力を一度リセットできる意味が大きいのです。

ですからタービン交換や、ミッション交換のようなパワーバンドの特性変化を、ものすごく体感できるよ劇的な変化は望めませんが、600馬力超を目指すなら耐久性の向上において費用対効果が高いので、2.8Lパーツをセットで交換することは費用対効果の高いチューニングと言えると思います。

 

 

 

小型タービンのメリット!?

 んじゃなんでシングル仕様だけじゃなく、雑誌や動画で小さいタービンのツイン仕様が勧められているのか?ってことですが、この辺りはエンジン耐久性、予算が絡んでくると思います。

 600馬力を超えてノーマルエンジン(純正ピストン、コンロッド、クランク、カムなど)のままでチューニングを進める方や、ショップは現代ではないと思います。それはRB26の純正部品は一定の馬力超えると、耐久性が不足していくことが概ね認知されているからです。RB26の純正クランクは、耐久力は問題ありませんが、重くバランスが悪いため、600馬力超では要交換パーツになります。ピストンも500馬力を超えるときに強化素材品に交換推奨です。コンロッドは450馬力超えで強化品の交換対象となります。つまり純正パーツ+社外タービンツイン仕様で、450馬力の限界ラインが見えてきます。

 

 耐久性を重視するなら、RB26のコンロッドだけは600馬力以上の対応品に交換していたとしても、2割ほどの余力を持たせて500馬力ぐらいで抑えておくのほうが耐久性は維持しやすいと思います。※一般ユーザー常時500馬力仕様、3年3万キロ走行を目安に・・。

  ツイン仕様二個の小型タービンを回すレイアウトで、GT-SSなどで450~500馬力程で最終仕様として、エンジン耐久性を重視し、ハイカム、ピストン強化品ぐらいでパーツ交換を抑え、ブロック、コンロッド、クランクはそのまま使うという選択をするショップは多々あるのではないでしょうか。その選択は耐久性がなんとが保てる限界かもしれません・・・が、チューニングコストはその3点が無交換になるだけで100万近く変わります。またタービンをシングルに交換するとエキマニ、アウトレットパイプ、インテークパイプ、フロントパイプ、エアクリーナーなど多くのパーツが変更になり、さらに40万程は高くなります。

  結果、ツイン仕様では、エンジンパーツと合わせるとシングル仕様より△140万程は予算が抑えられます。馬力=耐久性=予算で考えると、ツインが優れますが馬力=予算のコストパフォーマンスだけのバランスを考えると、シングル仕様で700~800馬力付近を目指すことになります。

これは・・・悩みますね?

 

 

 

800馬力を目指すアンタ・・・。きっと600馬力で十分よ!?という小話

 現役で走っていた世代のオーナーだと、600馬力仕様が最高馬力で、500馬力だと少し物足りない方もいるかもしれません。現代のような姿勢制御の電子デバイスが介入することが全く皆無の第二世代GT-Rで、車両コントロールしてタイムアタック走行するのは、相当の根性とテクニックが求められます。

昔の根性のあるGT-Rオーナーは、そういう600馬力仕様でケツが暴れながらサーキットを走っていた時代があります。ブレーキも純正ブレンボぐらいしか選択肢はありませんでしたので、止まらず曲がらず直線番長になって、ラップタイムは同じなのに、コーナリング速度重視の軽量FR車両とは走行ラインが大きく変わるので、GT-Rはサーキットではかなり危険な存在だと認識されていました。

 現代の一般オーナーや車好きの多くが、勘違いしていることなんですが、実は第二世代GT-Rはどれもドアンダー仕様で、かつ重量配分の悪い「FR車」です。走行時はFRで走っていて、瞬間的に前1~3:後7~9ぐらいの比率で4WDになる仕様なんですね。皆さんが思っているような5:5のフルタイム4WDになる状況なんて皆無なんです。立ち上がりと直線以外での走行安定性は全く皆無で、サーキットでは500馬力を超えると、実はかなりの頻度で挙動が乱れて不安定な危ない走行状態で走ります。

 高速コーナーではアクセル全開中にケツが飛び跳ねてると4WDにはならずにそのまま流れ続けてスピンします・・。R35を含め現代のスーパーカーのような安定挙動で、コーナー進入も立ち上がりも姿勢制御される仕様ではないので、ドライバーが自分の腕でフラフラ車両を乗りこなさなくちゃいけません。

 

 

 

あの!?サーキットタイムアタック仕様。ラップタイムと予算の現実。

 雑誌やビデオで有名になっている現代のタイムアタック仕様の第二世代GT-Rの多くは、800馬力超えで車両限界を超えるために、空力性能を変えて、加速/減速時の車両姿勢を安定させるダウンフォースを大きく発生させる仕様に向かっています。馬力と空力、タイヤ性能のバランスを重視し、大きなエアロパーツを施して、ボディ剛性を含めゼロから作り変えています。鈴鹿で2分20秒を切る多くの第二世代GT-Rは、そういった車両の総合力を高めた仕様となっています。

 グループAのGT-Rツインタービン仕様)の鈴鹿ラップタイムは、スリックタイヤで2分15秒付近であり、現代のタイムアタック仕様が2分10秒を切るようなタイムで走っていることを考えると、現代のチューニングカーのSタイヤorハイグリップラジアル、600馬力仕様でエアロ武装しない状態で目指せる限界点となるのは2分20秒付近ではないでしょうか。

 

 そういえば10年~15年ほど前まで、エアロ無しの800馬力仕様でサーキット走る第二世代GT-Rなんて、走行中はドコでもフラフラして、プロドライバーが運転したくない!?って嫌がっていたのが思い出されます。(※そんなフラフラ仕様で喜んでたプロの方が約1名いましたが・・・。)

数年前に空力に着目したs15が筑波で活躍し始める前までは、多くのサーキットでタイムアタック車両は、600馬力を目安に馬力を抑えていました。一般ユーザーなら、走行距離の伸びる「街乗り&サーキット」仕様であっても、実馬力500超の仕様でエンジンパーツを構成して、エンジンの耐久性を重視する仕様で仕上げても十分過ぎる性能だと思います。

 ちなみにボディや空力をやり始めてサーキット用のタイムアタック仕様車両を作るには、エンジン製作費用以外で、1000万では全く足りない予算になるんです。なんでそんなに高いのか?ってことですが、GT500のようなダウンフォースが強く働くエアロパーツは、FRPだとペコペコに凹んで、風の抵抗やダウンフォースに耐えられず割れて吹き飛んで粉々になります。アルミ製だと変形するので、最終的に鋼鉄並の強度でとなるのですが、現代だと非常に軽い素材「カーボン」を多用をすることになります・・・しかし大きなドライカーボンパーツを製作するのは設計図、型、工場規模、釜の大きさも必要になります。そんな限られた設備をもつ工場で、ワンオフパーツを製作すると設計込みで1パーツごと百万の製作費用がかかっても文句言えません。

 そのため庶民感覚では、タイムアタック専用車両の一歩手前「空力エアロ無し」「ハイグリップタイヤ」「ド根性ドライバー」で運転できるサーキット仕様は、なんとかコントロール可能な600馬力までで十分楽しめるってことに行き着きます。

 

 

 

なぜ第二世代GT-Rオーナーは800馬力を目指すのか?

 サーキットやレースのみで専用に作ったGT-R、年間2000~3000㌔も走るか?って用途だと、耐久性は犠牲にしてもタイムアップのために最大馬力を絞りだしたくなります。実は800馬力仕様のエンジンパーツも、600馬力仕様のエンジンパーツもタービン以外のパーツ構成は、ほぼ同じなんです。※吸排気ポートの加工などで多少は変わる場合もありますが・・・。

 現在は一部海外製のパーツを選ぶと、1000馬力対応なども出ているようですが、どのみち耐久性の保障はなく、この辺りの馬力だとほんの些細な理由で、あっけなく壊れますのでキャッチよりも過去の実績あるパーツを選んだほうが正解かもしれません。

 ではなぜ800馬力か?と聞かれれば、現代のパーツの耐久性、馬力、エアロ、タイヤの性能バランスで、一番美味しいところが800馬力仕様だから800馬力にしているだけです。

時代が変わって、第二世代GT-R1000馬力でも走れる(主にタイヤ性能)エアロ性能が向上すると、おそらく耐久性を度返しして1000馬力でタイムアタックする人が増えると思います。※あとサーキットで長い直線が1本あれば、海外の高級スーパーカーに絶対負けないって大和魂を見せるためです。

 

  

 

600馬力で、街乗り仕様は損耗します。

  今更ですがRB26はブロックもヘッドも海外のスーパーカーのエンジンと比較して、排気量が少なく、パーツが小さく、エンジンブロックの耐久性も想定外の馬力ですから、800馬力以上のチューニングベースとしては向いていないエンジンかもしれません。グループAの歴史から、時代を超えた名機みたいに考えてる方も多いのですが、現在のところ概ね600馬力前後までが目安で、現代のエンジンと比べて、パーツ精度、組みつけ精度、どれをとっても2.6Lの量産エンジンでしかありません。N1ブロックでも600馬力超で、いつかは?またはすぐにヒビ割れが入ります。

 グループAでも650馬力ぐらいでギリギリのタイムアタックをしてたようですが、オーバーホールのサイクルも、シリンダーブロックもGrA用の特注品が存在していたとか?していないとか噂があったものです。いくら現代パーツを使ったからと言って、600馬力超で10万キロを常用走行できるような耐久エンジンは不可能ではないでしょうか。

 その点、R35のVR38エンジンは、すでに排気量が3800ccで480馬力超を常用で10万キロ走行を前提としており、RB26の基本スペックとは全く設計思想が異なり頑丈です。

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※参考 Bullet Race Engineering

 

 RB26でもサーキット専用仕様であれば、海外製のアルミ削りだしブロックでエンジンを作るほうが、軽く頑丈(1800馬力対応)で非常によろしいのですが、日本国内では刻印無しエンジンブロックは車検が通らないので、街乗りを完全に捨てることになり勇気が必要です。また予算もこれだけで200万以上するので、N1ブロックの4倍~の予算が必要です。

 ですから多くの場合、600馬力超のRB26フルチューンエンジンは、1~3年ごとに定期オーバーホールをして、故障個所を早期に発見して直して乗り続けるのが宿命となります。常用500馬力仕様であれば、ぶん回して街乗りして3万キロ走行ノーオーバーホールのサイクルで維持できれば十分なコストパフォーマンスとなるのではないでしょうか。

 

 

 

高回転RB26フルチューンの覚悟

 シングルタービンだと、5500回転以上のパワーバンドが美味しい高回転仕様のRB26になっていくわけですが、800馬力超えのGT-Rでストレートの短いサーキットや峠は走りませんよね?5500回転以下で走るステージは考えると街中だけです。

第二世代GT-Rは、富士や鈴鹿サーキットに行くとき、またはドラッグレースなどで、外国の大排気量NAスーパーカーと同じクラスで走ることになり、当然R35とも走ります。

 そんなサーキット仕様のGT-Rは、最低でも600馬力以上無いと、現代のハイテクスポーツカーには全くついていけません。終始どっしり安定で安心姿勢でサーキット走行可能な480馬力のR35ノーマルにもついていくのはやっとです。現代の車とは全体の基本性能がトータルバランスが段違いのレベル差があります。

 

これはBNR32BCNR33BNR34と、R35のサーキット走行を比較したときの話です。

 第二世代GT-Rは、どれもコーナーごとに挙動が乱れやすく、立ち上がりでも不安定ですのでドライバーが600馬力をねじ伏せながら乗りこなして楽しむ!という時代遅れな旧車です。R35のようなハイテクスーパーカーの挙動とは全く安定性がレベル違いでかけ離れており、重量配分も悪く、ブレーキも、立ち上がりも、暴れ馬でコンマ何秒のタイムをドライバーが自分で削り取る!ということになります。

そんなタイムアタックは、現代だと時代遅れ感が半端ないのですが・・・。

 

ソレが今も昔も。

 

第二世代GT-Rの乗り味なんだと確信します。 

危ない600馬力が嫌な方は、第二世代GT-RRB26を600馬力超にチューニングするよりも、「R35をブーストアップを別に用意したほうが、絶対的にコストパフォーマンスが高く安全」な選択肢となることでしょう。 

R35との基本性能の差は、現代のチューニングメニューだけでは埋めることはできません。

同じ銘柄のタイヤで、エアロ無し条件では。

R35ブーストアップ仕様>600馬力仕様の第二世代GT-R 

絶対的な性能差の構図は変わることがないんです。

どちらが楽しいのか?

それはドライバーの感性違いで選択するところです。  

 

 

 

高回転を活かす。チューニングメニューの基本は?

 高回転=高出力はパワー型エンジンの特徴でもありますが、低速トルクを補うためのメニューとしてエンジン排気量アップがあります。でも排気量アップ自体はパワーバンドを広げたり、トルクバンドを下にする!といった目的では使われません。実は2.8L仕様でも馬力もトルクも5パーセントも変化しません。

 高回転のパワーバンドを活かす問題解決の多くは、ミッション調整によっておこなうほうが遥かにコストパフォーマンスに優れます。ギア比、ファイナル比、ミッション形式(クロスミッション、5~6速、シーケンシャル等)によって調整を加えて、高回転を維持する調整がチューニングメニューとなります。

 ここでは馬力アップと関係ないのであまり触れませんが、高馬力のエンジンを作った際には、チューニングのルートから言ってもミッションの載せ替えが費用対効果が非常に高いメニューとなります。たとえば5速→6速(シーケンシャル)に載せ替えるだけで、最高出力で100馬力も変わるような加速とトルクの変化を、ドライバーに与えることでしょう。

 またターゲットのサーキット専用にコーナーと進入スピードに合わせてギア比の組み合わせ調整をすることで、最大馬力は同じでもコーナーを曲がる際に、最適なギアを選んで組み込むことで、より立ち上がり加速が有利になりラップタイムも削れます。 

 

 

 

さてここでようやくRB26の具体的なチューニングメニューの紹介ですが。

長くなったので別記事にしました。(9月初旬掲載予定です。)

 

ではでは!!また次回!