BNR32 クロとシロと俺ブログ。

BNR32のお手軽レストア情報やRB26エンジンのオーバーホール、チューニング手法などを実体験をもとに情報発信しているブログです。

BNR32黒 ときどき 白

RB26 現代の馬力アップチューニングの限界で遊ぶ? BNR32 BCNR33 BNR34 共通

 

この記事は、過去記事の続きとなります。 

 


 

 

はじめに。 

この記事を書くにあたって、第二世代GT-Rのオーナーの一人として、個人の知識や経験の範囲で個人の言葉で書いていますので、正確さを欠く点もあると思います。その点をご理解いただき参考にしていただけたらと思います。

 

 

 現代のRB26チューニングの目安と予算は? 

 RB26エンジンの馬力アップのチューニング手法は、日本国内では費用対効果から3つのステップとなっています。

 

3つのチューニングステップ 

STEP1 ブーストアップ (詳細)10~100万目安、(~380馬力)2019

STEP2 タービン交換 (詳細)~230万目安、(~480馬力)2019

STEP3 フルチューン (詳細)~600万目安、  (~680馬力)2019

-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

EXTRA  フルチューン (詳細)    650万~、(680馬力~)2019

 

 上記3つのステップは、BNR32を新車でチューニングし始めた平成初期から定番メニューともなっています。RB26は概ね排気量アップまでやって、チューニング雑誌で掲載されるショップのデモカーで最大出力800~900馬力と言われてました。

が・・・・※当時正確に1馬力を計算できるシャシダイは、日本に無かった時代の話です。

  

 さらに平成初期はアフターパーツもまだまだ未成熟なものが多かったので、RB26排気量アップの定番は純正パーツを使ったピストンサイズ変更が主流でした。

 

その当時の排気量アップを今考えてみると・・・。

 

 

標準RB26

86×86×73.7×3.14×6÷4=2567351=2567cc

 

1mmオーバーサイズピストン仕様

87×87×73.7×3.14×6÷4=2627404=2627cc

 

 

 

これを四捨五入して・・・。

って、両方2.6リッターじゃないか!

 

 

おぃおいぃ~。

 

 

当時のチューニングと馬力の謎には触れるな。

 ピストンサイズ変えても6気筒60ccしか排気量変わらんのです。物理的にエンジンの排気量が2%程度変わったら出力にどれくらい影響あるものでしょうか・・・。ターボで1.7倍になったとしても、4363cc → 4465cc これ1mmボア径を拡張するわけですから、肉厚の薄い水路までの距離が10%ほど耐久性をそぎ落として得るチューニング効果としてはリスクとリターンに疑問が残る手法ですよね。

 当時は他に確実な方法が無かった?ってのもありますが・・・こういう口伝や噂のフルチューン?または補修?と、合わせてハイカム&タービン変えてフルチューンとか言ってましたし。チューニングショップではJUNに丸投げでエンジン製作を外注して、顧客渡し400万~600万エンジンとか言ってた美味しいチューニング全盛期もあったんですよね。コレ今でもあるある話ですが・・・。

 加えて雑誌のチューニング情報は有象無象で、馬力表示は掲載するショップの言いなり・・・。一般ユーザーが正確に比較検討できるチューニング情報なんて皆無だったんですからホントどうしようもない時代です。

今更ながら、当時はチューニング雑誌と情弱の自分が哀れに・・。

 その仕様で!800馬力~900馬力!ほんとに馬力出てたの?って車はたくさん掲載されてますよ。真実は業界の闇です・・・。

 

 

現代の標準的な2.8Lキット(ピストン、コンロッド、クランクの3点セット)

87×87×77.7×3.14×6÷4=2770004=2770cc

 現代のRB262.8Lキットは、クランク、コンロッドが加わり、ストロークが73.7mm→77.7mmになって、ようやく純正比約8%の排気量アップです。ボア拡張が嫌な方はパーツ組み合わせを変更して、ピストンサイズ86φでも組めるので2706ccが狙えます。これで純正比約5%の排気量アップです。

 

 

 

さて。

ここから本題。

あの時代から20年・・・。

 

 

2019年、現在のRB26チューニングの最前線。

限界馬力の真実はドコなのよ?

今年のお盆は、そんなことを考えてみました。

 

 

 今も昔も、エンジンは物理の原則に従って限界出力は存在しています。これは壊れずに乗れるエンジン出力がどのへんなのか?って話なんですが、限界の多くはエンジンの基本設計の時点で概ね決まってしまいます。

RB26のようなターボエンジンの出力限界は「エンジン排気量 + タービン性能 + 空燃比セッティング + 燃料」によって大きく影響されます。

 

 

RB26が、1500馬力超でも驚かない現代。

 RB26は最大馬力と耐久性を両立させる場合、必ずといって良いほど課題になるのは純正の鉄でできた鋳造エンジンブロックの耐久性(主に熱害による変形やヒビワレ)と重量です。600馬力を超えると発生しやすい持病で、ワレはシリンダーブロックの上面で確認できるシリンダーと水路を繋ぐような細いヒビワレ、エキゾースト側の水路つけ根のヒビワレです。

 近年では、1000馬力超えを狙うハードチューナー用としてRB26用のアルミのシリンダーブロックが数年前にオーストラリアのアフターメーカーによって販売されています。このブロックを使うことによりシングルターボ、吸排気系パーツ、最大馬力に対応した内部パーツを使って、尚且つメタノール燃料仕様でセッティングを揃うと、現時点で最大馬力の出る仕様となり1500~1700馬力程を計測している実績もあるようです。WTACではEVOをはじめシルビアやGT-Rでも、トップランカーの多くがこの高出力に耐えるアルミ製シリンダーを使って、GCGのEFRタービンで1000馬力を出力してますからね。すでに実績は折り紙付きです。

 

f:id:toyamaBNR32:20190817123922j:plain

※販売 GCG https://gcgturbo.co.jp/bullet.php

※製造 ビレットレーシング社 https://www.bulletraceengineering.com.au/billet-blocks

 

 国産車でも外車でも、エンジン設計上の弱点はどんなエンジンにも存在していて、たとえば燃焼室サイズが小さかったり、スリーブが脆かったり、密閉度が悪かったり、水路の取り回しが悪くてオーバーヒートしやすい、パワーが出るとシリンダーが振動を吸収できずに割れるなど不都合は存在するものです。

 自動車メーカーの設計を補って余る耐久性を実現するために、それぞれのエンジンの弱点を克服したエンジンブロックを製造するって・・・世界は本当にスゴイですね。SR20、4G63、2JZなどのアルミブロックも発売されてます。どれも1500馬力を超える馬力を出すために設計されたシリンダーブロックです。

 

 

結果。

 

 馬力が出ても壊れにくいシリンダーブロックつくっちゃうもんだから、上記の動画のような化け物エンジンも生まれます。RB261500〜1700馬力を発揮するメタノール仕様の映像です。排気量は2.6Lのままでも1700馬力を出しているようですよ。

 日本の場合は、一般にアルコール燃料仕様は普及していませんし、燃料コストがハイオクの約10倍〜はかかる計算ですから、こういうエンジンを本気で作るなら【燃費を全く気にしないセレブ専用】となるようです。

※日本国内でもアルコール燃料は、1990年の中盤ぐらいから複数のメーカーで市場に生産供給され、90年代に市販車向けに普及しはじめた時期もありました。が、税金面や石油業界などの影響か?なんらかの大人の事情で、国内で広く普及することができませんでした。

 

 でも世界を見ると、レース用のアルコール燃料(エタノールメタノールを含む)は、ハイオク仕様と比較して単純に数百馬力もアップできるので、非常に「費用対効果が高いチューニング手法」として人気があります。

 

 

 またこうした「燃料」の変更と同様に、エンジンに取り込む「空気」の濃度自体を変えることでも馬力を出すことができます。マッドマックスの悪役がタンクをキュキュと捻る時代から、ワイルドスピードの時代になって「NOS」は、国内でも定番チューニングになりつつあります。

 

f:id:toyamaBNR32:20190910150245p:plain

 

 「アルコール燃料+NOS」両方ともに世界のチューニング業界では正攻法ですし、RB26エンジンでもセッティングは可能ですので、国内市場でもっと流行ってもいいかもしれませんよね。※個人的には幼少期のマッドマックスの影響で「空気と燃料」をいじると、どうしても車が爆発するイメージが強いんですが・・・。

 

 

 

排気量が大っきいエンジンは嫌いですか?

 ところで世界のエンジンチューニング市場では、RB26は排気量が少なく、エンジンの部品代も高く、壊れやすく、コストパフォーマンスが悪い!!と思われています。そこで簡単に最大馬力を出す手法として、他車の「排気量の大きなエンジン」に載せ替えしてチューニングすることも頻繁に行われているようです。

 

 ちょっと変態なエンジンスワップ・・・という手法です。ベースエンジンで排気量5.0リッター~のエンジンを使いますから、R35を超える排気量となり、耐久性はもちろん、パーツの組み合わせ次第で「ハイオクガソリンで1000馬力~トルク100キロ〜」も狙える仕様となります。

 これらの載せ替えエンジンとなるのはインフィニティ、フォードなど現地で調達しやすいv8エンジンをベースにしているようですね。よく目にするのはコルベットのLS2 V8 6.0、アメリカではいろんなチューニングのベースエンジンとして頻繁に使われており、RB26の2倍超の排気量です。低速トルクはモリモリになりますし、チューニングパーツも豊富です。

 

※参考例 海外でBNR32に各種v8エンジンを搭載。

f:id:toyamaBNR32:20190521142805j:plain

f:id:toyamaBNR32:20190521142813j:plain

f:id:toyamaBNR32:20190521142801j:plain

 エンジンスワップ手法は「エンジンが消耗品」という認識がある海外では昔からある手法で、ごく当たり前のように行われる標準的なチューニング手法です。海外ではエンジンスワップはエンジンが壊れたら「大きなエンジンに載せ替えるチャンス!」と考えて、効率よく車いじりを楽しむ海外ユーザーとの感覚の違いを感じますよね。

 

 

RB26は1500馬力対応でパーツ開発。

チューニングは世界に学ぶ時代。

 

 国内では第二世代GT-Rに他のエンジンを載せてアルコール燃料でセッティング取るなど、RB26で1500馬力~仕様にするのは国内のGT-Rオーナーとしては敷居が高いハードチューニングです。

そもそもドラッグレース以外で、そんな高出力は使いようがない!?・・・。

 

 しかし世界のチューニングパーツの多くは、ドラッグレースの2000馬力仕様のエンジン製作をすることを前提にパーツ開発が進められているので「製品精度」や「材質」、「耐久性」の製品水準は、すでに国内の多くのメーカー製品を、はるかに超えているものも登場しているのが現実です。

 

 だって、みんなが楽しみにしている毎年恒例のWTACの・・あの日本代表の方たちのエンジンも、実は国産パーツ無になりつつあるんだよね・・・。

 

 国内チューニングメーカーは、600馬力程度で使う前提でパーツ開発していますからね・・・残念ながら平成初期登場のエンジンパーツを新開発してるアフターメーカーは皆無ですけど。逆に言うと、そんな時代背景もあって、現代では世界のパーツメーカーで、日本の車のエンジンを採算度返しでパーツ供給しはじめるメーカーがたくさん出てきました。今は2000馬力対応のパーツでも、世界のマーケットからパーツ選びをしてチューニングを考えていける時代です。

 

 だからこそ国内オーナーのニーズの中心であるストリート~サーキットで走る(800馬力)は・・・。

 

ようやく!?

本当に!?

正確に!?

馬力が出せる!?

 

という時代を迎えているんだと思います。

 

 エンジンの耐久性は確保しながら、故障し難い分、チューニング総額は抑えることができて高出力でもエンジンを維持できるようになった!とも言えるかもしれません。

今更、国産パーツや純正パーツだけで、24Uブロックに1mmオーバーサイズピストン組んで排気量アップして、9000回転以上まわる超高回転RB26を作ろうなんていう古参チューナーは絶滅してるんじゃないでしょうか。

 世界ではエンジンパーツ、タービン性能、カム設計、ECU性能、どれも平成初期とは段違いにレベルアップしていて、精密に組んでセッティングしただけでもRB26で800馬力が狙えちゃう時代ですからね。

 

 

 

 

次回予告!

次回は国内でも手軽に楽しめる身近なパワーアップチューニング。

初心者~中級者」オーナー向けに「800馬力」までの「チューニングメニュー」をご紹介する記事を書いてみたいと思います。