クロとシロと俺ブログ。BNR32 -NA1-

スカイラインGT-R BNR32のお手軽レストア情報やRB26エンジンのオーバーホール、チューニング手法などを実体験をもとに情報発信しているブログです。最近はサブのNSXもいろいろDIYでプチレストアを楽しんでいます。

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RB26 オーバーホール 故障個所 費用 価格 予算 BNR32 BCNR33 BNR34など 富山から。

 

 BNR32に搭載されているRB26って、よく言うと頑丈、悪く言うと荒削りで各部に余裕のある設計のエンジンですが、高級車のように低回転トルクがあるエンジンではありません。

高回転を多用するような運転だと、ノーマルエンジン&タービンでノーマルブーストであっても、10万キロも走れば消耗部品だらけになっています。

 

というわけで今回の記事は、BNR32のエンジンパーツを中心に、オーバーホール内容や費用、そのほか車両のどのパーツが壊れやすく消耗しやすいのか?をまとめてみました。

新品エンジンAssyに載せ替えた人には関係ない記事ですので、Gマガでも見て休んでいてください。

 

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さてbnr32 は、日産で新車から普通に乗っていてエンジン5年 or 10万km走れる保証をつけているメーカーです。つまり保証期限以降は「壊れるかもしれません!?」ってことでもあります。

 

 たまにGマガに出てくる常時低回転で走って、エンジンノーメンテで20万キロ走った車両とか・・・すごい幸運ですよね。

 

まぁ一般的に、僕らがRB26を維持するうえで知っておくことは、エンジンフルチューンだから耐久性が低いとか、ブーストアップしていないから耐久性があるとか、年間走行距離が短いから大丈夫とか・・・・そういう噂や想像上の理論じゃなくて『現実』です。

 原則として組みあがったエンジンは、たとえ走行していなくとも各パーツの経年劣化は始まります。ゴムシール類やガスケット類は圧着しているので熱や水分、時間の経過でも劣化してしていきます。またオイルやウォーターライン、エンジンブロックもそうですが、エンジンを可動させていなければ内部にも錆が発生しやすくなります。中でも製造から20年も経ったセラミックタービンなどは、走行距離や用途にかかわらず過給がかかればブローリスクが当然高まります。

rb26のエンジントラブルは、経年劣化した部品や、補記類が故障原因に繋がることって非常に多いんですよね。

  

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 エンジン劣化の悩みを一気に解決するなら、エンジンオーバーホールが一番費用対効果が高いんですが、この作業は何をどこまでやるかによって、費用も大きく変わります。特に作業時のパーツの組みつけ精度、交換部品数で跳ね上がります。

 今回は1、エンジンオーバーホール、2、新品エンジン製作、3、リビルトエンジン乗せ換えの参考費用を載せておきます。(以降、記載費用は目安です。全国のお店によって技術料はかなり差があります。最低限作業しているところが確認できる会社にしましょう。)

  

1、オーバーホールのメリットと費用

エンジンオーバーホールを行う会社では、全ての部品を計測し多くの場合はデータシートを記載し記録を残しています。この作業は新品であっても、純正パーツ、強化パーツであっても全てのエンジンパーツを計測し、その結果を基にオーバーホールで再利用するパーツ選定や加工が行われます。

新車販売時の純正RB26のエンジン組みつけは整備基準書どおりだと、数値が幅広くゆとりをもっていますので、当たり外れが出やすい品質です。しかしオーバーホール時にはパーツの計測を基に、最適な回転運動がおこなわれるよう各パーツをバランス良く組みつけすることで、無駄の少ない高精度なエンジンに仕上がっていきます。

他の記事でも書いてますが、rb26のオーバーホールは専門家が作業しても時間がかかる理由は、作業の基本となるパーツ計測を正確にどのくらいの単位でおこなうのかによって、作業時間が大きく変わるためです。

ですから精度の高い作業をするエンジン製作会社に仕事を依頼する場合は、エンジン載せ替え10万〜、基本工賃40万〜+部品代金(30~50万目安)、納期3ヶ月~半年ぐらいは最低でもかかることを覚悟しておきましょう。

 

  作業内容は各パーツ計測、エンジン洗浄、ブロックの水路ひび割れ確認、ガスケット類、コンロッドメタル、クランクメタル、コンロッドボルト、ピストンリング、ゴムホース類、全ボルト類交換。バルブガイド打ち替え、各部クリアランス測定&シム調整は、最低限作業してほしいところです。

エンジン性能を重視するなら、パーツの重量合わせ、バランス取り、クランク曲がり測定は必須で、高コストですがクランク交換もあり得ます。エンジン製作会社だと、これらの作業は作業に含まれているかもしれません。

オーバーホールのメリットは故障や損耗していないエンジンをベースにする場合には、消耗品交換だけでリフレッシュが可能な点、低コスト、短期間で作業が終了することです。

  

 

 

2、新品エンジン製作のメリットと費用

耐久性を重視するなら、エンジンを全て新品部品で製作します。

主になるパーツ類が、コンロッド、ピストン、クランク、ウォーターポンプ、オイルポンプで部品代約75万です。HKSなどの2.8Lキット品を使用したら約40万+α。さらにエンジンの本体であるrb26ヘッド20万+n1ブロック40万or05Uブロックが20万弱です。バルブ24本約7万、カム2本約8万、ガスケット類一式約3万、インジェクター6本約8万、タービン2個約30~40万で、新品エンジンは約200万のパーツ費用に、組み立て工賃の目安が専門店で40~50万ぐらいでしょうか。その他エンジン乗せ換えが10万、最新ECU(LINKG4など25万)や現車セッティング15万~も費用計上しておくと、今後の維持管理で問題が少なくなります。

 

新品エンジンを製作する場合は、工賃含めて一式250万は最低かかります。

 

 しかしこれだけの予算で組んだ純正280馬力仕様の新品エンジンと、NISMOやHKSなど社外パーツ使った600馬力仕様の新品エンジン。実はエンジン製作費用はほとんど変わりません。600馬力超え狙うならNAPRECやJUNなどでヘッド加工もすると思うので、20万程の追加予算を見る方もいます。

純正パーツも強化品も同じ予算なら、パーツ自体の素材や精度、耐久性を考えても、純正パーツで、もう一度新品エンジンを組むメリットは皆無ではないでしょうか。

 

 

 ちなみに多くの専門店のオーバーホール見積もりでパーツ再利用ではなく、新品部品を薦められるのは、どんなエンジンでも耐久性が保証できるのは、全て新品パーツでゼロから製作した場合のみだからです。

 

中古パーツを再利用したエンジンは、

どこのプロが作業しても、耐久性の保証はできません。

 

 経年劣化した再利用パーツが原因で、エンジンブローしたらオーバーホールの意味が全く無くなってしまいますよね。作業の費用は高つきますが、今後10年乗るなら信頼できる会社で、できるだけ精度の高い作業を頼みたいものです。費用が高いだけの店もあるので、作業内容とスタッフの作業品質は、事前確認が必須です。

 

 新品エンジン製作の大きなメリットは、既存のエンジンとは別にエンジンを製作するので、製作中も車の乗れることです。また新品部品で製作するので会社によっては保証がついていたり、エンジンの不安要素が全くない状態で乗り出しできることです。

  

 

 

3、リビルトエンジン載せ替えのメリットと費用

 現在使用中のエンジンが、ノーマルエンジンであればリビルトエンジン載せ替えも選択できます。リビルトエンジンはすでに組み立て済みのエンジンで、専門業者による分解・洗浄・点検・交換を終えたリフレッシュ済みの中古エンジンです。すでに組みあがった状態のエンジンですので、エンジンが届いたら載せ替えして即エンジン始動ができます。(載せ替えは数時間~1日で終わります。)

 多くの場合、今まで使用していたエンジンは、リビルト会社に返送する仕組みになっています。(コアエンジン返却)ですがエンジン本体の価格は50~60万、載せ替え費用10万ほどですのでリビルトエンジンはコストが抑えられます。

さらに一番のメリットは、すぐにエンジン載せ替えができる点です。(作業が早い)

車検証の通りの年式仕様のエンジンが供給されますので、年式通りのエンジン在庫が無い場合は納期が遅れます。また送ったエンジンに重大な欠陥があったり、ノーマルではなかった場合は、リビルト会社に下取り交換を拒否されたり、追加費用を支払うことになります。

またデメリットは高精度で組みなおされたものではありません。出所の知れない中古エンジンをベースに純正エンジンと同じ整備書の±精度で整備されていますから、当然ですが当たり外れはあります。また整備書通りの既定値に収まっている消耗品については、そのまま使いまわされていることがあるのもリビルドエンジンです。リビルドエンジン製作会社は、あくまでもエンジンを普通に使える状態にして出荷しているという作業基準で製作しているエンジンですので品質については信頼し過ぎてはいけないと思います。

 リビルトエンジンの購入先は、現在はリビルト専門会社で販売されているものになります。まだ利用したことはありませんがRB26は愛知に大きなリビルト会社があります。

 

 

 

エンジン以外にも、BNR32の故障リスクの高いパーツを点検しておこう!

ってことで、ここからは古くなったBNR32の経年劣化の補修ポイント!をまとめてみようと思います。

 「エンジン本体」、「補機類」、「足回り」、「その他」の4つに分類して下記のとおりまとめましたよ。

あっ、リストからアレが抜けてる!って方がいましたら、それは貴方の心にそっと留めておいてください。(*´ω`*) 

   

  

RB26エンジン

1、ヘッドガスケット 劣化、水路ひび割れ、冷却水へのオイル混合

2、各気筒の圧縮低下、ピストンリング劣化、ピストン棚落ちなど、

3、クランク、コンロッドメタル劣化の兆候=異音で察知する(エンジントラブルではメタル劣化が一番確立が高いと思います。)※youtubeなどでもメタルの異音は検索できます。

4、タイミングベルト、ファンベルトの劣化、ファンやシュラウドの破損による異音

5、点火時期不良によるエンジン不調=ECU、純正センサー類不良など

6、バッテリー上がり=オルタネータ不良、ハーネス不良など

7、ダイレクトイグニッションおよびハーネス不良による点火不良、エンジン不調

8、パワートランジスタ不良による点火不良=失火、アイドリングに異音、吹けない、軽度だと気が付かない。※パワトラを撤去するのが一番確実、旧世代の部品でメリットなし。

9、スロットル開閉不良、ガスケット不良による2次エアー吸入=アクセルで異音※アイドル不調の原因にも

10、バルブガイド劣化=開けないとわからん・・・

11、カムシャフトシール、カムカバーシール、半月ゴムの劣化オイル滲み

12、ウォーターポンプ水漏れ=シール材の劣化

13、クランク角センサー不良による点火タイミング不良、※異音(キュッキュッと高音)ベルト鳴きと勘違いしやすい。

14、熱害による水ライン、圧力ライン、オイルライン、ゴムホースの割れ

15、O2センサー、低回転、アイドリング不良

16、オイルドレンボルト破損、オイル漏れ=量販店でオイル交換すると起きやすい破損。ボルトサイズアップ、溝切り直して対処可能。

17、クランクシャフトシール劣化のオイル滲み、異音

18、ブローバイ増加、エアフロ不良、アイドリング不調=タービン破損を含む

19、ECU不良による始動不能=ハーネス、カプラー破損などを含む

20、アイドリング不良=AACバルブ、スロットルセンサー、エアレギュレーターなどの動作不良

21、エアー吸入ラインの経年劣化&接続不良による2次エアー吸入とエンジン不調=パイピング、ゴム、シリコンホース、クランプの破断など

22、アクセルオフ時の異音、アイドリング不良=IN&EXガスケットの劣化による排気漏れを含む  

23、カップリングファンのひび割れ=羽根の破断、オーバーヒートなど

24、ガソリン臭い=インジェクターのゴムシール劣化、ガソリン漏れ

25、エンジンやミッションの振動=エンジンマウント、ミッションマウントの破断

 

  

エンジン補機類

1、燃料ポンプ不良による燃圧低下

2、タービン破損によるエンジン不調

3、エアフロ不良によるアイドリング、エンジン不調

4、燃料ライン&ホースの燃料漏れ

5、純正ラジエーター、純正オイルクーラー容量不足のオーバーヒート

6、インタークーラーパイプ抜け、エンジン不調

7、オルタネーター不良。バッテリーあがり

 

 

  

足回り

1、フロントドライブシャフトブーツ破れ

2、ハブベアリング異音&ガタ(錆)

3、純正ローターひび割れ

4、FRスタビロッド&ブッシュ劣化による挙動不審

5、フロントアッパーリンク劣化による異音&ガタ

6、フロントナックルアームの変形

7、フロント&リア、アーム類のブッシュ劣化による挙動変化 

 

 

その他

1、パワステオイルラインのオイル漏れ=オイルライン全域で発生する持病

2、FRハイキャスオイルラインのオイル漏れ

3、ノーマルミッション3速、5速、ギア破損=パワー上げ過ぎ、シフトミスしすぎ

4、ミッションオイル吹きこぼし=シフトブーツ下ゴム破断など

5、ライトスイッチ点灯不良、回路焼け=経年劣化の持病

6、エアコン故障全般(ガス漏れ、各センサー、コンデンサ、コンプレッサー不良、コントロールパネル不良)=経年劣化の持病

7、ダッシュボード表面の浮き=経年劣化の持病

8、スピードメーター不良=経年劣化の持病、スピードメーターシャフト交換で解決

9、バッテリー吹きこぼし、バッテリー下、ボディ穴あき=鉄板切って貼って直す

10、ジャッキアップポイント凹み&錆or穴あき=サイドシルの強化方法あり

11、フロントアルミフェンダー電解錆=フェンダーボルトにプラスチックワッシャー

12、ボンネットオープナー固着=グリスで解決

13、リアスポイラー取り付け部の雨漏り&トランク錆=リアスポシールで解決

14、テールランプ曇り&プチルゴム劣化=テールランプのプチル塗り替え

15、左右ドア周りゴムの劣化による雨漏り=経年劣化の持病

16、リアクォーターパネルの表皮剥がれ(後期対策品あり)=皮巻き込み型番を使う

17、エアコンモード切替ユニット不良(冷暖房全開固定になる故障)=切り替えサーボ交換  

 

   

思いつく限り挙げてみましたが、部品の抜けはあるかもしれません。

項目のRB26エンジンおよび補機類は、オーバーホール時に同時交換可能です。

上の項目で足回りや、その他の点検箇所は、総額で80万もあれば再生できます。

 

 

 

最後に・・・。

とにかくRB26「エンジンO/Hをお早めに!」ってことを、お伝えします!

自分はエンジンオイルをマメに交換してるし、車を丁寧に扱っているから大丈夫!って安心してるオーナーでも、メーカーの予定どおり10万キロ超えたら「突然ブローするのがRB26」です。またブローする前と、ブローした後では、O/H費用が天地の差になるのもRB26の特徴と言えます。

 

 RB26オーバーホールの目安金額を言うと、オーバーホール総額は、健康なブロー前エンジンで60万~100万、ブロー後150万~200万(下取り無し)が目安です。それ以上だとブランド費用かもしれません…また故障前エンジン下取りは30〜40万、オークション50万〜60万、リビルドエンジン40〜50万(稼働エンジン返却込み)が相場でした。

  

 オーバーホール費用だけを見ると一見高く感じますが、全パーツを新品でエンジン一基を総額250万で製作したとしても、もし健康な元エンジンを60万で売れれば、約250万ー60万=190万で新品エンジンが手に入ります。元エンジンが壊れてたら下取り10万にもならないので新エンジン取得費用には約50万の差がでてしまいます。

RB26エンジンが壊れる前と、壊れた後では、費用に天地の差がでるとは、作業内容だけではなく、下取り費用を含んだ総額のことでもあります。

 

  

  2017.2月現在、エンジンASSYは「産廃」でエンジン部品のみで供給されています。部品を全部組み立てたら当然エンジンになりますがASSYより当然高額になります。エンジン部品単体で集めても「納期不明」とか「受注生産」になってる部品もあって、これはもうお金で解決できません。

さらに2017年も4月に値段が上がれば、部品総額1割ほどは高くなるかもしれません。

 

そして・・・。

ここまで紹介しておいて今更ですが、オーバーホール、新品製作、リビルド乗せ換えの3択だと、RB26はリビルドエンジン乗せ換えが一番コストが抑えられます。お金なくてどうしようもない方は、最低でもリビルドエンジン乗せ換えを、可能な限り早めにやっておくといいかもしれませんよ。

登録年ごとに、リビルドエンジンも在庫減ってるようですから・・。  

 

  

ところで、そこのあなたっ!

日産から、なんだかんだでエンジン部品がまだ出てるなら、まだまだエンジンは触らなくていいや!って油断してませんか?

  

    

 RB26全損だと「完璧に新品状態まで直したい」なら、新品RB26のブロック、ヘッドが受注生産で供給されている今しか直せません。ちなみに今の時点で、エンジンの全部品が揃うまで半年以上かかりそうですよ。RB26エンジン部品は、供給あるときに注文してしまわないと、今は部品出るみたいだわぁ~って油断してると、気がついたら次の部品納期は平気で半年~1年待ちになります。当然、部品点数が多いエンジンは、どれか1個でも納期が遅れると完成が遅れるんです。

 

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俺の車はヤバいかも?って思っているオーナーさんの車は、とにかく早めにオーバーホールをお勧めします。たぶんヤバいです。

エンジン1年待ちの待機児童になりたくなければ今のうちですよ。   

 

 

エンジンブローは突然やってきます。

メタル打音はカタカタカタカタ忍びよってきます。

圧縮測っていても突然ブローします。

高級オイルいれてても突然ブローします。 

それが部品の消耗、経年劣化の恐ろしいところです。  

 

 

最後に・・・。

  

 

RB26は頑丈ですが・・・。

消耗するエンジンなんです。

BNR32オーナーとして、長く乗りたい方は、出来るだけ早めにリストのエンジントラブル箇所の部品は予備持っておきましょう!

 

  

 

 

オーバーホールはお早めに。 ← 経験者談

カタカタカタカタ…