最近、薄曇りが続く富山です。
カラッとしない天気が続いています・・・。
何と言っても、「曇り」がスタンダードな湿った富山県ですからね。
湿った日といえば・・・。
オーバーホールを考えますよね?
今回、毎度お世話になっている富山のEFIテクノロジックさんで、トランスファーオーバーホールをお願いしました。もともとウチの再生したBNR32のエンジンとハーネス作ってくれたエンジン屋?さんですが、メンテナンスもサポートをしてくれているので助かっています。
BCNR33やBNR34のエンジンやハーネスなどのトラブルシューティングなども相談できますので、気になる方は一度ご相談してみてはいかがでしょうか。
さて第二世代GT-RのキモであるアテーサET-Sは、後輪駆動で、ときどき前輪も駆動するというアクティブ4WDの先駆け的存在です。後輪と前輪の回転差をセンサーで読み取って4WDに切り替わるというシンプルシステムです。
BNR32は古いシステムですから、左右のトルク配分をするような電子制御のデフ機能はありません。ミッション後部のトランスファーと呼ばれる部分に小さなクラッチがついていて、これをアテーサの油圧で作動させて繋げることでフロントに駆動が伝達される仕組みです。
外見上はミッションケースの後部、シフトレバーのついている部分に、小さいトランスファーが収まっています。
※オートギャラリーさんのSS690ミッションです。見た目は純正そのままです。
汚い後部(左)の少し横に飛び出てる部分が、トランスファーです。
今思えばSS690に載せ替えたときに、一緒にトランスファーをオーバーホールすべきでしたよ・・・。
今更、やるともう一度ミッション下すので二度手間です。
チューニングとかリフレッシュ作業って、こういう二度手間の費用が一番無駄になるんですよね。
トランスファー汚い・・・。
トランスファーは、多くの場合10年ぐらいで走行によって、摩擦でトルク伝達するディスクが摩耗し、アテーサET-Sのトルク伝達時に滑って4WDにならなくなります。
また走行距離による摩耗が始まっていると4WDのトルク伝達力が小さくなり、フロントの駆動力が弱まっていきます。
ディスクが摩耗しているとトルクメーターは動いても、実際のトルク伝達がされない。のでご注意ください。
はい、そうなんです。
トルクメーターはアテーサECUが作動した電気信号であって、実際のトルク計測値をメーター表示しているわけじゃないんです・・・。
スピードが出ていない街乗り程度で、トルクメーター動いていたり、ジャッキアップ時にフロントが駆動するからといって4WDが万全に効いている⁉と判断するのは早計です・・・。
トランスファーのディスクは、街乗りでもサーキットでも必ず摩耗していく消耗品で、10万キロ超えてるなら実際は設定値よりも少ないトルク伝達しかしていないと考えられます。
でも、どうやってこの伝達トルクが正常であるか?を測定するのかというと、乗ってケツとハンドルで体感しかわからないんです。
特にタイヤ接地状態でグリップが負荷されていない状態でトルク伝達が作動しているかを計測するのは困難です。宙に浮いていれば4WDは当たり前ですからね・・・。
トランスファーは開けて見て状態がわかる!っていう消耗部品です。
結局、走行10万キロ以上使っているなら、トランスファーのディスクやベアリングの交換はしちゃったほうがいいですよ!?ってなるんですかね・・?。
オーバーホール費用は、ミッションのクラッチ交換と同程度の費用ですから、第二世代GT-Rのメンテナンス費用としては、お手軽に重要部品をリフレッシュできます。
※ミッション交換やクラッチ交換のついでにやっておくと工賃も抑えられますよね。
トランスファーオーバーホールは、効果がすぐに体感できます。
またトランスファー内部のディスクとディスクの間には、繋がりを滑らかにするためのプレートが入っていますが、このプレートをディスクに交換すると、4WDの繋がりが激しくなる強化トランスファーになりますよ。
強化トランスファーは、ディスク摩耗が激しくなりますので強化?かはわかりませんが、フロントトルクの繋がり感度があがります。街乗りやサーキットで乗りやすいか?は別の話ですから、自分の場合はあえてノーマル設定のままオーバーホールを選択します。
EFIテクノロジックの石黒社長は綺麗好きでマメなので、使用部品は細かいところまで隅々まで綺麗に洗浄されてチェックされます。
エンジン以外でも、GT-Rのメンテナンスを丁寧にしてくれる良い会社だと思います。
今回も、よろしくお願いします!