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スカイラインGT-R BNR32のお手軽レストア情報やRB26エンジンのオーバーホール、チューニング手法などを実体験をもとに情報発信しているブログです。最近はサブのNSXもいろいろDIYでプチレストアを楽しんでいます。

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パワーチェック シャシダイで「実馬力」を計測しよう。 富山01

 

 

「馬力と、実馬力の違い」

 

スポーツカーを買うときって、馬力ってかなり重要な要素になるわけなんですが。

メーカーのカタログのエンジンパワー(hp)と、シャシダイなどで計測する実際のエンジンパワーには、かなりの誤差があるのは周知の事実なんですよね。

 

 

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f:id:toyamaBNR32:20161201112332j:plain※画像 BNR34 横浜ゴムさんwebより

 

 

でも。

カタログ値は、メーカーが嘘ついてたり、適当な数値を公表しているわけじゃないんです。ではどうして誤差が出るのか?って疑問に思いませんか?

 

 

 

自分もその一人だったんですけど・・・。

 

 

 

この馬力の数値は、結論から先に言うと、エンジン単体出力と、車載状態での出力の違いが出ているってことになります。車の馬力を測るために、車のドコに、どんな尺度のモノサシ(計測機器)を当てて馬力を計測しているのか?によって数値は、全く異なるようです。

 

 

 

 

 

自動車メーカーが、パンフレットで記載している馬力(カタログ値)は、エンジンを単体で計測したエンジンベンチでの出力測定結果の平均値で、車両の馬力というよりエンジン出力値なんです。

 

 

しかし、エンジン単体での出力表示は問題があるのです。

 

 

 

それは・・・・。

 

 

エンジンから発生した出力(馬力)は、クラッチ、ミッション、デフ、ドライブシャフト、プロペラシャフト、ハブ、アルミホイール、タイヤなど、多くの部品を伝達して最後にタイヤ接地面から地面に対して発生させます。エンジン出力は、この駆動部分の部品数、設計、精度などで出力ロスが発生するからです。

 

 

タイヤでの馬力の値を「実馬力」と言います。

 

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実馬力を計測するDYNO-JET(ローラー式シャシダイ)

タイヤで発生した馬力を計測するので、業界的に実馬力はローラー式シャシダイで計測した値になります。このようなタイプですが国内にはローラーも負荷も小さい2軸と、ローラーも負荷も大きな1軸があり、4WD計測のため前輪にもローラーが追加されたタイプもあります。

物理的には「タイヤの接地面が走行状態と同じ」になるローラーが大きな1軸タイプが最適となります。最新の設備はローラー表面も特殊な形状に設計されており、一昔前のように負荷の小さなシャシダイで、スリップ防止にトランクに人が数人乗って計測するような危険もなく、スリップしにくい設計になっているのが特徴です。

現在は、日本国内の大手パーツメーカーを含め数カ所だけ実馬力計測ができるダイノジェットがあります。今後は増えていくかもしれませんね。

 

 

 

 

 

日本の馬力表示のジレンマ

 

車の馬力を測る場合は、多くの場合以下の3か所で計測されています。

 

 

1、エンジン出力時に計測する。

(メーカー公表値)

 

2、ドライブシャフト時に計測する。

(タイヤ外して、駆動軸で固定したダイナモを回すタイプ)

 

3、タイヤ接地面時に計測する。

(タイヤそのままでローラー式のダイナモを回すタイプ)

 

 

 

パワーの測定結果は、これら3か所の測定場所によって違いがでます。馬力の計測値は、負荷が高くなる順に低くなっていきます。

 

 

 

 

エンジンの出力 > 駆動軸の出力 > タイヤの出力

 

エンジンで発生した出力は、クランク軸の回転を計測した場合、一番負荷が少ない状態ですから一番高く計測されます。逆にエンジンから一番離れたタイヤ接地面での計測値は、駆動系の負荷が一番大きいので出力は一番低く計測されます。

ちなみに実馬力計測は正確ですが、メーカーカタログ値から2割〜3割程は出力ダウンします。多くのオーナーはショックを受けますが、タイヤ接地面で1馬力を正確に計測するから当たり前なんです。

 物理の原則としては当然なんですが、この計測値が逆転する場合があるのが日本!なんですね。馬力計測では「1馬力」という単位を正確に測定するために、精度の高い計測器が必要で、製造メーカー、シャシーダイナモの負荷と計測方式、ソフトウェアなどで大きく結果が異なります。

「1馬力」を正確に計測するためには、計測精度が高いシャシダイと、計測時にかけた負荷を、専用ソフトウェアで計算しなおして「1馬力」を表示する必要があります。

 

 自動車メーカーのカタログのエンジンベンチでのパワー計測は、負荷が無いため補正が少なく、誤差も少なく、1馬力の値としては信用できる数値です。国産自動車のメーカー同士の公表値も、エンジンベンチ出力でモノサシを統一していますので、これを目安にして問題はないし嘘でもないのです。

 

 

 

 

が・・・・・、

 

 

 

 

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世界のチューニング業界では、タイヤで計測した「実馬力でのみ馬力表示」をしています。

日本のように「軸」馬力や、「エンジン」出力値を馬力とは言いません。

 

 

あくまでも世界のチューニング業界では!?

ですが、「タイヤ」で「精度の高いシャシーダイナモ」で計測してこそ意味があって、2000馬力なら実馬力で2000馬力なんです。

シャシダイもDYNO-JET(ダイノジェット)が精度の高い計測をおこなうことでスタンダードになっており、会話の中で何馬力?と聞くと多くの場合、「ダイノジェットで800馬力」という内容になるくらいダイノジェット計測は標準です。

 

世界では馬力と言えば、ダイノジェットでの実馬力表示であり、それ以外の計測はエンジンベンチぐらいしかなく皆無なんですね。

 

 実馬力と軸馬力が混在した表示をしているのは日本ぐらいではないでしょうか。理由を想像するに、日本独特の馬力表示が混在する理由のひとつは、シャシダイの設備投資や設置場所などがあるかもしれません。最新のローラー式シャシダイ(ガレージ4台分ぐらいのスペースが必要ですし、設備投資も軽く1000万を超えてしまいます。

 

 あとは正確に「1馬力」を計測することには、あまり意味を感じていないチューナーが多いってのも理由かもしれません。

 

 

 

 

さらに・・・。

パワーチェックには、ユーザーにとって大きな問題もあります。

パワー計測の補正値が不正確な理由…。

 

 

 

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