クロとシロと俺ブログ。BNR32 -NA1-

スカイラインGT-R BNR32のお手軽レストア情報やRB26エンジンのオーバーホール、チューニング手法などを実体験をもとに情報発信しているブログです。最近はサブのNSXもいろいろDIYでプチレストアを楽しんでいます。

BNR32黒 ときどき 白

BNR32 スカイライン GT-R 中古車購入ガイド。初級編 BCNR33 BNR34 共通事項

 

  最近、中古車市場で大人気のスカイライン GT-Rですが、中古車を買う前に知っておく事実があります。

 

 これからスカイラインGT-RBNR32 BCNR33 BNR34)を購入して、新たなオーナーを目指す方は購入後に後悔することがないように、購入前の「オーナーの心構え」と「車両購入の注意」を中心にブログ記事にしました。

 

f:id:toyamaBNR32:20171031160227j:plain

Nissan Heritage Car Rankingより 

 

 

警告

 この記事は第二世代GT-Rのリアルな実状を載せており、読むと新オーナーを目指す方は購入意欲が冷めてしまうかもしれません。尚、2000年ぐらいから中古車市場では、当記事が説明している「程度の良い」BNR32BCNR33は絶滅して見かけなくなっています。これから中古車を探す場合は1年~2年かけて探しても「程度の良い」車両は見つからない可能性が高いと考えてください。

第二世代GT-Rの購入計画は、焦らず時間と資金に余裕をもって、宝探し感覚で楽しみましょう。

 

※この記事は最後まで読むのに5分はかかる長編です。

 

  

 

初心者は必見!これだけは知っておくべき購入ガイド!?

第二世代GT-R車両購入ガイド

  さて初心者からプロまで老若男女問わず大人気のGT-R!?ですが、車両購入にはたくさんの注意事項がありますので、恋人や奥さんと一緒に情報収集して、慎重に購入計画を検討しましょう。 

 

  

 

1、ポンコツGT-R暮らすという心構え。

 はじめに第二世代GT-Rは、BNR32BNR34まで製造から約20年~30年近く経過した車両で、中古車選びは10年落ちクラウンや軽四を選ぶのとは、全く比較にならないほど車両のチェック項目が多くなります。現車の状態を確認して「修理代金の概算見積もり」が自分でデキルくらいマニアじゃないと、程度相場の見極めは難しいと思います。

 買取専門業者のプロでも車両状態はわかりますが、いつドコの部品が壊れるかまではわかりません。中古車販売店で現状販売されているGT-Rは、短いサイクル(1~3ヶ月)間隔で、どこかの部品が壊れる覚悟をしておきましょう。もしくは買ったその日に既にドコかが壊れている状態です。購入後も故障は定期的に継続して起こりますが、20年~30年も前に製造された車ですから、残存車両の多くはとっくに耐用年数を超えた部品の寄せ集めで動いているポンコツという認識が必要です。

故障は頻繁に発生することが当然であるという心構えが必要です。

 またシートに座って見える内装部品の多くは、すでに生産中止していますので、汚れやヒビワレなどがあっても劣化した状態で乗り続けるか、中古部品で補修するしかありません。新品部品で内装レストアされたGT-Rは高額な車両のうちでも僅かです。多くの中古GT-Rは、ダッシュボードが浮いていたり、ビス穴が開いていたり、欠損やワレがあるものだと理解しておきましょう。

 さらに購入後に走行に必要なパーツの消耗状態を補修をせずに長距離ドライブなどしようものなら、楽しいドライブの途中で走行不能になったり、より深刻な故障へとエスカレートする可能性があります。

 第二世代GT-Rは、オイルなどの消耗品の交換だけで、アクセル全開できる近年の乗用車とは扱いが全く異なります

購入後は、すぐ遠出せず、近距離のドライブで故障個所を発見し、補修を繰り返し、少しづつGT-Rと信頼関係を築いてください。一緒の時間を過ごしメンテナンスに手間とお金をかけて大切にしていけばGT-Rは、きっと貴方の一生のパートナーになることでしょう。

 しっかりメンテナンスしていればRB26エンジン、アテーサの走行性能、ドライブの楽しさは国産車でもトップクラスの名車だと思います。

  

f:id:toyamaBNR32:20171031160439j:plain

Nissan Heritage Car Rankingより

 

 

2、ネット情報活用と勝負どころ。

GT-Rを購入する心構えができた方は、車両探しです。

インターネットが非常に便利に活用できる時代ですが「昔乗りたかったんだ!」っていうオジサンから免許取り立ての若者まで、様々な目的で購入を検討する方が増えてる第二世代GT-Rですが、インターネットで第二世代GT-R購入する愚行は避けましょう。

 

f:id:toyamaBNR32:20171024111130p:plain

 

年式の古い車は、画面で見る画像と、実物は全く別モノです。

担当者とのメールやり取りも、全て販売店側から「売る」という目的で流れる情報しかありません。画像も文章も実物の情報を伝えるには少なすぎますし、詐欺やごまかし、誤解なども多く発生します。

売店GT-R専門店だろうが、一般店だろうが、自ら実際に見て、触って、乗って、確認して買うことで大きなトラブルを避けられます。

 

 インターネット中古車情報を活用する方法は、あらかじめ車両の程度と価格相場を理解しておき、ターゲット範囲の車両が新規掲載されたときに勝負をかけるためです。

 

 

その日の夜か、

翌日には掲載店舗に向かってください。

 

 

これから探す方に、ハッキリ言います。

第二世代GT-Rは、全国を巡って程度の良い個体を探しているライバルが最低30人はいる!と思ったほうが良いです。特に近年は海外業者やGT-R専門店、レストア業者を含め中古車探しのライバルが多いのが第二世代GT-R市場の特徴です。また昔からのコアファンも多く、ホワイトボディの製造中止後は、部品取り車やサブ車両として2台目を持つ理由が出てきて尚更需要が高まっています。

 第二世代GT-R新規掲載情報は、ネット掲載の翌日に中古車店に見に行っても問い合わせは殺到しています。それこそ相場より安ければ、1日で30件~50件の問い合わせが来ます。貴方以外にも必ずと言ってよいほど商談の予約は入っています。

 

 

自分で即決できる現金をもって試乗しに行く!

即電話で予約して現地に向かいましょう。 

  

 

 

3、試乗できないRを買わない。

 せっかくインターネット等でターゲットのGT-Rを見つけても、その車は試乗ができない場合があります。中古車店で試乗できない理由は様々ですが、多くの場合は車検切れだと思います。この車検切れの車両は長期間不動車両であることがほとんどです。前オーナーがメンテナンスを十分に行っていない可能性が高く、購入後に様々なトラブルが発生するリスクも高くなります。

 店頭でエンジンをかけたくらいでは、故障がわからない部品まで壊れているのがGT-Rです。エンジン作動音、排気音、異音、振動、エンジンが吹けない、突然止まるなど故障範囲は広く、専門知識や技術のない素人には全く手に負えないものです。そういう車両を安く購入して後々多額の修理費用に嫌気がさして手放す方もおられるようです。

 

 一見して綺麗な外装でも、実際に乗ってみると、あちこちから故障の症状が見受けられる状態で「現状&補償なし」で販売されている事例が数多く見受けられます。

 

 そういう点でも、当時から知識や経験がなければ買ってはいけない危険な中古車の番長でもあります。まず第二世代GT-Rを複数試乗し、乗り比べて、自分の経験を積んで、故障している部品の交換金額、車両仕様などを含めた購入価格を検討しましょう。

夢のGT-Rを購入しても、故障が不安で乗ることもできず、数カ月で手放すオーナーにはならないために事前に念密な購入計画を練りましょう。

 

 

4、どうやって良い個体を探すか?

f:id:toyamaBNR32:20171031171321j:plain

 

第二世代GT-Rの車両状態は、試乗することで多くのことがわかります。

むしろ試乗以外にはありません。繰り返しますが本当に良い車両を探したいなら、全国をめぐって中古試乗を行い駆動系、エンジン、ボディの3要素は自分で比較できるくらい経験を積むことができるようになることが大切です。(簡易チェック項目後述)

高速道路の近くの販売店なら、高速を試乗させてもらえるよう頼みましょう。

 

 もしどうしても試乗せずに購入する場合は、購入リスクが低いGT-R専門店で補償つき販売をうけることです。GT-R専門店は第二世代GT-Rでも補償販売をしているお店があり、重要部品の事前メンテナンスも行き届いていることが多いです。車両の部品交換個所も把握しているので、どの部品が交換時期かなどの質問をしても、きっと答えてくれると思います。

 一定のメンテナンスがされている分、購入価格は高くなりがちですが、綺麗でメンテナンスが行き届いてる車両はGT-R専門店しか販売していません。一番無難な購入方法ですので、部品や車両メンテナンスの専門知識が無い方はGT-R中古専門店を巡って、車両探しをされることをお勧めいたします。

 ちなみに一般の中古車販売店で多少安く車両を買っても、修理、レストアを考えると、かかる時間と費用は専門店で購入したほうが総額は抑えられることが多いと思います。またGT-R専門店に行くと、一般店より在庫数が圧倒的に多いため、いろんな程度のGT-Rと相場価格を実際に見て勉強することができますよ。

 

 

 

5、マニアは身体を診る。

 第二世代GT-Rのオーナー未経験者は、試乗してしまうとRB26の排気音、エンジン音、雰囲気で購入まで一気に気分が高まっちゃうかもしれません。また中古車販売店でも、外装等を綺麗にして販売しているケースが多くなっているので、素人に車両状態を見極めるのは困難になってきています。

 

 そんなときは、一旦落ち着いて確認することがあります。

 

初めてGT-Rを購入するオーナーの多くは、購入後に一番お金がかかるのは「エンジン」だと思っている方が多いのです・・・

 

が!

 

 

第二世代共通の車両選びで、最も大切にすべき点は・・・・・・・・。

ボディです!

 

 

 塗装が綺麗とか、ミッションが入るとか、内装が綺麗とか、エンジンルームが綺麗でもなく、NISMOバンパーや、NISMOサイドスカートがついてるでも、エンジンフルチューンでも、ブーストアップしてないノーマル車両でも、オーバーホール済みの車両でもありません。

 

NICE BODY・・・('ω')

これ一択!

 

 

BNR32も33も34まで。

古今東西、第二世代はボディ以外は、見るとこがないくらい超重要なパーツです。

RB26エンジンや、その他の個所はレストアで比較的コストを選んで簡単になんとでもなりますし現在でも新品にできます。

 

 

ですが・・・。

 

 

ボディは、手軽に交換できない部品なんです。

ここで言う

 

補強したり塗装するにも時間と費用が一番かかるのは実はボディで、レストア有名店舗などで綺麗にリフレッシュされたものは、ボディレストアに200万~300万は費用がかかっています。さらに1年~2年がかりの作業となる業界です。

 しかしボディに高額なレストア費用をかけても、新車時を超えるボディ性能には絶対にならないので走行性能を復元しようとしてボディレストアするのは少々無理があります。ボディはシャーシ基本設計時に車両パネルのどの部分を固く、どの部分を柔らかい素材でつくるか等、材質や強度計算を行って捻じれやひっぱり強度などを総合的に検討して製造されています。中古車のボディパネルは、各パネルの強度や溶接などが車両が走行した歴史に応じて経年劣化が進んでいますので、ただ単に溶接箇所を補修したり、増やしたりしても新車時のボディ性能に戻すことは不可能です。

ボディレストアは、外観を綺麗にしたり、補修や補強をすることでボディ性能の延命を図るためのもので、その過程でボディ剛性を補修するという方法です。

 

 唯一新車時のボディ性能に再生する方法は、ボディを構成するパネル全てが新品状態であるホワイトボディを使うことしかありません。しかしホワイトボディが製造廃止の現在、サーキット走行でボディ劣化した車両が、予備の箱替えボディを用意するのはボディ再生の費用対効果が一番高いからです。

 ボディ選びに必死なマニアが競い合っているのが、第二世代GT-Rの中古車市場なんです。

 

 

 

 

 

初心者でもわかる!

6、ナイスボディチェック。

 見てればわかるボディの良し悪しといえば、下回りの前後メンバーサイドメンバーボディアンダーパネル等に錆が広がっていたり、パテで補修していたり、すでに穴が開いて朽ちてるような車両はOUT!。

 そんな車両は外装が綺麗でも、他の個所を見るまでもなくメンテナンス不良の青空放置車両ですから、まともにGT-Rとして走れる状態じゃありません。唯一、前部ジャッキアップポイントの潰れは第二世代共通の標準仕様⁈ですから、諦めて目をつぶってあげてください・・・。

 さらにリフトで車体前後を持ち上げて、ドアを開閉して閉まらないとか、ドアがボディに当たる車ならドアの下がり度合によっては赤信号。もし後端で2cmも下がるくらいなら開口部の剛性が著しく低下して、側面のドア開口部が歪んでいる可能性があります。ちなみに5mmぐらいドアが当たって押せば閉まる程度なら、ドアヒンジが原因の可能性が高く部品調整や交換で直せます。

 

さて、自分の経験上の話ですが。

 

第二世代GT-Rの中では、BNR32のボディ選びが一番難易度が高いかもしれません。

5年ほど前から1年~2年ほどかけて北陸、中部、関西、近畿まで足を延ばして約30台ほどレストアベース車両を探したんですが・・・・全く使える車両がありませんでした。ボディ剛性を維持している「程度の良い」車両は、1台もありませんでした。

それから継続して探し続けて、1年後に運よく1台ボディが活きてる車両を手に入れることができました。中古車情報で探しても程度の良いボディを持つBNR32は絶滅していると言って過言ではありません。

 そして、その状況はBCNR33も変わりません。BNR32よりも良いボディを持つBCNR33ですが、残存数がBNR32の3分の1しかいないうえに、酷使されたボディが多いので探すのはBNR32と同様に大変です。

 第二世代GT-Rの特殊な中古車マーケットは、毎日程度の良いGT-Rを探してプロやマニアが日夜24時間動き続けている市場だということを忘れてはいけません・・・。

 

 その中で唯一、BNR34だけは試乗が難しい状況ですが、ライバルが減る超高額価格帯ということもあって700万以上の価格帯でボディの状態の良い車両を選べます。金額は一見して高額ですが、BNR32BCNR33の程度のよいものを探すより、レストアにかかる時間と費用はかなり抑えることができます。

またボディの良いBNR34は、今後も価値が上がると思います。

 BNR34のボディチェックは、走行距離に比例した下回り状態か?溶接部分やメンテナンス頻度、そして販売店の駐車場の試乗ぐらいで段差を越えるなどして、捻じれ剛性の劣化度合いを見極めることが必要になります。ちなみにBNR34BNR32BCNR33と異なり、走行距離が5万キロ程度の街乗り仕様では、ボディがヨレることはありません。コンビニ段差乗り越えぐらいの捻じれではキシミ音ひとつしないのが普通です。

その点、ボディの状態が比較検討しやすいのでBNR34は、他のGT-Rよりも手軽に車両を選びやすいと言えます。

 

 BNR34は新車価格と比較しても、現在は超高額ですから、箱替えは警戒して最低でもエンジンブロックの刻印ナンバーは確認したほうが良いかもしれません。普通に街乗りしている個体は、8万キロ程度でRB26エンジンを載せ替えることはあり得ませんので・・・車両状態を測る目安になります。

 

f:id:toyamaBNR32:20171031161319j:plain

 

 

  

ボディ剛性が重要な理由。

 ボディ剛性は、ハンドリング、タイヤ、ショック、サスペンションアーム類の性能をフルに発揮させるために必要な土台のようなものです。いわば車両が走行するための性能の基礎となる要素です。大まかに説明するとボディ剛性が劣化すると、車体にある元の形状に戻ろうとする反発力が失われ、タイヤから入力される衝撃やコーナー時のボディの捻じる力に対して押し戻す力が小さくなります。

 その結果、ボディ剛性が失われている車両でサーキットを走行すると、多くの場合ドライバーはアクセルやブレーキ時に、前後の車軸を中心にボディが捻じれてグニャグニャする感覚を感じることがあります。コーナー進入など荷重移動が大きい状況でのサスペンションセッティングが決まらず、スポーツ走行時のドライバビリティは著しく低下してしまいます。

 

 走行性能が第一だと考えるオーナーであれば、ボディ剛性の劣化した車両にフルチューンのエンジンを載せてサーキット走行しても、その性能を活かし切れないことの悲劇と、ボディ剛性の価値に気がつきます。

 かつてBNR32販売当時から箱替えという言葉がありました。フルチューンエンジンを搭載して、Sタイヤやスリックタイヤなどハイグリップタイヤで、サーキットや首〇高を走りまくって使い古したボディから、予備車両にエンジンを載せ替えして、ヘタったボディにノーマルエンジンを載せて安く売るという手法です。

一般人の多くは、純正ノーマル仕様で綺麗であるとか走行距離がどうとか。見えるところを気にするので、箱替え車両は外装を綺麗にしてあれば即売れます。ちなみにサーキット専用車両は走行距離が少なく10万キロ以下で、軽量化して使うので内装が綺麗だったりします。そういう状態でアンダーパネルにロールケージの補強プレートの取付穴や跡があるなら可能性大です。車検証に改造公認などの記載もないか確認しましょう。

※エンジンO/H済みなどリビルドエンジンを載せたBNR34などは注意が必要です。

 

 箱替え車両はBNR32の新車販売から1年もすれば、当たり前のように市場に出回っていました。今の第二世代GT-Rは、どれもそういう時代の延長線上にあるGT-Rであるということを理解しておく必要があります。

 

 そういった怖さがある中古GT-Rのボディ選びですが、もし貴方が街乗りユーザーであるなら、ボディ剛性は一般道を走るために必要な分あればよいわけです。

走行性能より外見や内装の綺麗さが大事な方もおられると思います。ボディが劣化していても、走行時の症状はリアガラスやフロントガラスやダッシュボード、リアシートなどから多少キシミ音が聞こえたり、アライメントが取れてるのに高速のライン変更でリアの追従速度が遅く、レスポンスが悪く感じる程度で、街乗りでさほど大きな問題を感じることは皆無です。

 むしろ安価に売られている第二世代GT-Rは、多くがそのような素性の知れない車ですが「お買い得感」があります。

見た目には、ほぼ違いはありません。

 

  

 

6、超初心者向けの車両チェック項目

 第二世代GT-Rでも価格帯の安い個体を探していると、いろんなGT-Rを見ることができます。多くの場合は無保証現状販売で、特に故障リスクが高い車に価格設定されます。販売店も問題がある車は故障個所は言わずとも、現状販売で安く売っていると説明するはずです。

こうしたGT-Rの多くは、もうすでにトラブルを抱えています。

以下に、そうした車両の実例を挙げておきますので避けましょう。

 

 

エンジン音がバラバラと不均等。

これは暖気後に排気ガスに異常がなく、ガソリン臭もなく、白い煙もなければ、ハイカムが組まれている可能性があります。またバルブタイミングもズレている可能性もあります。これはチューニング車両ですので素人が手を出さないほうが賢明です。タービン交換車両は高確率でハイカムが組まれます。一般的にハイカム仕様なのにタービンノーマルは有り得ません。そこは理由があってそうなっているんです。

 こうしたエンジンチューニング車両は、社外ECUで現車セッティングが取れていないと、アクセル全開で即ブローします。またチューニング車両は、ECUが外して売られていることが多く、エンジンをかけるために適当に純正ECUマインズなどポン付けECUがついているなら買ってはいけない個体です。

何が起きるかわからないほどリスクが高いので買ってはいけません。

 

 

 

 

 

エンジンはかかるがアイドリングが安定しない。

エンジンの仕様が異なるセッティングのECUや、燃料および吸排気に関する経路が故障した際に発生するトラブルです。排気ガスにオイルが混じって白い煙がでる場合は買ってはいけない車両です。排気ガスに問題がなく、950~1300回転ぐらいで針が触れつづける場合は、アイドリングを調整するAACバルブやエアレギュレーターの故障が原因の可能性が高いです。正常なアイドリングは、メーター読みで始動時は1200回転ぐらい、水温が70℃を超えると900~950回転ぐらいで落ち着くはずです。

多くの場合、新品部品でも交換工賃込みで10万ほどで治りますが、本来は販売店が直して展示販売すべき内容です。ECUが異なる場合は買ってはいけません。販売経緯を含めて購入リスクが高すぎます。

 

 

4000回転ぐらいから息継ぎして吹けない。

さまざまな理由が考えられます。タービンブローやエアフロセンサー故障、O2センサーフィードバック異常、燃料ポンプ異常、エアクリーナー、インジェクターイグニッションコイル、プラグなどその故障原因は範囲が広く、そのエンジンは間違いなく故障していますので買ってはいけない個体です。

直す時も故障個所の特定に時間と、お金がかかる可能性が高いです。

 

 

アイドリング時にミッションから金属音がする。

なにか金属が擦れて回転するような音でしたらBNR32およびBCNR33の標準仕様です。クラッチが滑っていたり、ガラガラ音はクラッチが割れていたりギアが破損している可能性が高いので音によっては15万程かかります。ちなみに5速ミッションの5速が入りにくいのは仕様です。BNR34ゲトラグ6速ですが中古車は全域ミッションが入りにくいのが標準仕様です。

 

 

エアコンが効かない。スイッチを入れると異音。

 BNR32のオートエアコン故障は故障範囲が広く有名で標準仕様です。コンプレッサー、冷媒ホース、タンク、エアアクチュエーター、ブローユニットなど様々なものがそれぞれ壊れます。現在は純正パーツが生産廃止されて直せませんので、社外のメーカー品でエアコンユニットの載せ替えが必要です。

直すと約30万ほどかかります。

 

 

メーターの針が揺れて落ち着かない。

BNR32はメーター裏のケーブルが劣化することで、針が安定しなくなります。気にしなければ直す必要はありませんが、気になる方は部品工賃で4万程で直せると思います。

 

 

ABS、アテーサ、HICAS警告灯が点灯してる。

これも故障範囲が広いですが、ECUの故障からセンサー故障、HICASキャンセル取付などでエラー表示など多くの原因があります。HICASは取り外して無くしても良い部品ですが、アテーサユニットはGT-Rの重要部品ですので故障個所が特定されないうちは購入は控えたほうが良いです。直す場合はトランスファーから油圧ポンプおよびECUなど油圧経路の原因が多いですがこれらは新品だと部品代が高く20万~コースになりかねません。初心者は買わないほうがいい個体です。

 

 

ストラットタワーが補修されている。

 これは第二世代全車種に言えることですが、ストラットタワーが補強されていたり補修されている個体はボディが終わっている可能性大です。ここはボディの中でも一番固い部分になり、変形したり補修が必要な事故を起こしている場合は、ボディ全体がヘタっていると思ってよいくらいです。原因はハイレートのバネを使ったサーキット走行で縁石に乗ったことによるものが多いのです。つまりヘタったボディの可能性が高い個体です。初心者オーナーは買わないほうがいいです。

 

 

エアコンが無い。

エアコンが無い車は、まず100%軽量化を目的に取り外されている車です。エアコンを外して軽量化する目的はサーキット走行です。N1以外ではエアコン装備なので、街乗り仕様ではありません。前オーナーがお金が無くてエアコンを直していないことはあっても、わざわざエアコンユニットを取り外す面倒な作業をしている場合は、それなりの意図があって取り外したと考えていいと思います。

エアコン取り外した車両は、素人は買わないほうが賢明です。

後つけエアコンも30万ほどかかるので高額です。

 

 

10万キロ超でオーバーホール記録が無い車両

安く車両を買ってもオーバーホールには70万~100万近くかかります。またエンジンブローしてしまった場合は、さらに部品代が高く上乗せされます。初心者が第二世代GT-Rを購入する際はオーバーホール済みのものを探すと賢明です。それだけ車両にお金をかけて前オーナーに大切にされていた車です。

また値段が高いのに20万キロオーバーホール記録なしだと初心者が買ってはいけない個体と言えます。そういう車両は、数多くのメンテナンス記録があってもパーツは経年劣化が進むのでリスクが高くなります。

 

 

ノーマル戻し車両。

 程度の良い中古車両を探そうとすると、必ずと言ってよいほどノーマル戻し車両に出くわします。ノーマル戻し車両は一見して純正仕様なのですが、ブーストアップ、タービン交換、エンジン載せ替えなどをした車両からチューニングパーツを純正部品に交換した車で、元はボディが酷使されたチューニング車両であることが多いものです。

 見極めのポイントは「内装が綺麗」であるか?「追加メーター」がついているか?がかなりの精度で程度を見極める目安になります。内装はすでに製造廃止部品でノーマル戻しをする場合は、交換費用が高つくうえに交換作業も手間がかかります。そのため多くのGT-Rは、前オーナーの売ったまま現状販売されています。

内装が綺麗な車両は、前オーナーが綺麗に扱うことに気をつけており、車を大切に扱っている可能性も高くなります。あまり激しいスポーツ走行をしないオーナーの場合が多く、純正ノーマル状態を維持して、ハードなチューニングせず、走行も無茶していない「ボディの痛み」も少ない車体である可能性が高いです。

その反対に、追加メーターなど取り付け穴が内装パネルに無数に開いていたり、ダッシュボードに色が塗ってあったり、追加メーター数が多い車は避けたほうが良いかもしれません。その中でもAF計排気温度計がついている場合は、チューニングでセッティングを限界まで詰めた車両であった可能性が高くなります。このような車両はチューニング内容とボディ劣化が比例していることが多いです。

 ECUがAPEXのPOWER-FC、HKSの金プロなどに変更されている場合もブーストアップ以上のチューニング車両ですから、現車セッティングが取れていない場合、走行中にエンジンやタービンを破損する可能性があります。ECUやセッティング有無がわからないチューニング車両の場合は、初心者は絶対に購入してはいけないレベルです。

 

 中古車市場で販売されている車は、売主は売った車が、壊れようが、大事に乗られようが、全く関係がないので次のオーナーのことなど考えている方は少ないのです。売主は、次のオーナーが日本人だろうが外人だろうが気にしませんし、整備のプロか素人かも気にしません。

チューニング車両であれば、高く売れる部品や、すぐ取り外せる部品は売る前に取り外してオークションなどで売ってしまいます。

ですからタービン交換+ハイカムなのに、純正ECUがついて現状販売されていることもあるのがGT-Rなのです。

 

GT-Rは、買う方が知識を身につけて自分の財産を守るしかありません。

 

 

7、泣かないための資金計画

第二世代GT-Rのオーナーになるときはハッキリいって資金が必要です。車を買ってからのお金のかかる修理箇所を事前に予算組んでおきましょう。

BNR32BCNR33BNR34は「走行距離に関係なく」補修費用がかかります。結論から言うと、走行距離が少なくて劣化しにくいのはボディだけです。その他の部品はエンジンを含めすべて耐用年数を超えているのが第二世代GT-Rの現状です。

 

f:id:toyamaBNR32:20170428204324j:plain

 

 

1、オーバーホール

エンジンの不安を取り除くなら、オーバーホールかリビルドエンジンに載せ替えです。

純正エンジン仕様でも、エンジンとタービンをオーバーホールをしたら、最低ラインで80万程度はかかります。その他補器類を新品にしたりすると+20万程度で交換可能です。専門会社のリビルド載せ替え(下取りあり)でも70万~80万ぐらいが相場です。

※オーバーホールについて詳細は、今までに経験した内容を別記事にしてますので参考にしてみてください。

 

2、アームブッシュ交換

運動性能を取り戻すならNISMO、クスコ、イケヤなどのアームブッシュ類に全交換をします。今でも20~30万程度で工賃込みで全交換できるうえ、GT-R補修の中で最もお手軽で効果が高い補修内容だと思います。

 

 

3、車高調&マフラー交換

車高調正や運動性能を高めるなら真っ先に交換するのはショックとスプリングです。ショックとバネがセットになっている車高調(しゃこちょう)は、安いモノは7~8万で高いモノは100万超えまであります。街乗りメインなら7~8万のブリッツなどで十分です。工賃はアライメント込みで4万~は見ておきましょう。マフラーは性能無視して静かで安いものは5~6万で販売されています。性能重視なら最低10万のストレートマフラーを考えておきましょう。

 

 

4、板金塗装(オールペン)

金額が大きく差がでるところですが、ガラス取り外し、内装取り外し、エンジン下し、内側までか外だけか、板金するか、専用ブースを持っているか?などで大きく費用が変わるのがオールペイントです。丁寧なところだとBNR32で60万~納期半年。安いとこだと30万~納期1ヶ月など様々です。Gマガで紹介しているような有名店になると、総合的な技術力や設備も加わるので300万はかかるところもあります。

 

 

5、車検

ミドルクラスです。メンテナンスが行き届いていれば、ネット予約の安い車検で総額10万で車検は通ります。

 

 

6、燃費

ハイオク指定で、フルチューンでもブーストアップでもリッター6㌔ぐらいは走ります。ECUセッティングでアイドリング時などの燃料をどうコントロールしているかで燃費は変わります。純正でも7~8㌔ぐらいです。ちなみに濃い燃料のセッティングだと3~4㌔とかになります。

 

 

7、車両保険

第二世代GT-Rは、スポーツカーの中でも比較的ランクは低いほうです。40代で年間10万~車両200万つきというのもあります。20代だと保険料はその1.5倍ぐらいになりますので若い方は、親に2台目保険で安く入ってもらって、家族限定で乗るのがいいかもしれませんね。ちなみにスープラのほうが車両保険料は1.2倍ほど高くなります。

 

 

8、そのほか補修費用

ミッションは5速であれば中古で3万ぐらい。新品で15万ぐらいです。アテーサのトランスファーは15万ぐらいで、油圧ポンプは部品だけなら5万ぐらいで社外が出ています。

 エンジン系はオーバーホール時にほぼ全交換すると思うので、それ以外だと駆動系以外で壊れるとこと言えば、ドライブシャフトブーツやデフ、クラッチぐらいで、3点新品交換しても30万で交換できます。

 

 

 

以上を合計してみると・・・。

乗り出し補修費用で、総額150万程 は予算が必要です。

 

 

 

 BNR32BCNR33BNR34は、走行距離に関係なく、経年劣化していて部品の耐用年数を超えていますから新品部品への交換は必須になります。

 

ちなみに補修ヶ所のお薦めベスト3は.............。

1位「エンジンオーバーホール」or「リビルドエンジン載せ替え

2位「アームブッシュ類

3位「車高調交換

 

これらを補修しておけば、5年は大きなトラブルが無く乗れると思いますし、買った時より走行性能も大きく改善することでしょう。

その他の製造廃止の部品で、内装や外装レストアを始めようとすると予算は一気に高くなっていきますのでご注意ください。

 

 

 

8、まとめ。

GT-R購入ガイド第一弾をブログ記事にしました。

今回は、第二世代GT-Rは「ボディ選び」と「買った後の補修」がとっても大切だというお話しでした。はじめてGT-Rを購入する場合、値段も高くなっているので非常にリスクが高い車だと感じていただけたでしょうか。

 

 中古車は現物があって買えるものですから、はじめてGT-Rを探すと販売店に契約を急かされたり、目の前の車が自分にとって運命の車なんだと勘違いしたりするものです。買った後には気軽に買い替えることもできませんので、「あの車を買っておけばよかった」という思いをしているほうが趣味の範囲で「GT-R探し」を楽しめて良いかと思います。

 

その期間に、きっと程度の良いGT-Rを見極める目も養われます。

 

 自分にはそんな時間が無いとか、診てもわからない方、今どうしても欲しいという方は、GT-R専門店でリフレッシュやメンテナンス済みの車両を、補償つきで購入することをお勧めいたします。

次回かはわかりませんが「GT-R購入ガイド第二弾」では、もう少し踏み込んだ内容で、GT-Rの程度の見極め方を書こうと思います。

 

最近、自分用にBNR34のボディの良い車両を探しはじめています。

半年~1年ぐらいは吟味して探そうかなぁ。

 

 

(''ω'')